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<エネルギー・環境委員会>
環境ビジネス展開支援 事例紹介

環境ビジネス展開支援 事例紹介

企業基本情報

事業者名
株式会社ジェイアイティコンサルティング
所在地
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-5-5-604
主な事業内容
・各種アプリケーション開発
・HP作成、SEO対策
・省エネシステム開発
代表者
代表取締役: 達下 幸冶
従業員数
4名
創業年月
2002年6月
資本金
300万円
URL
会社沿革
2002年 6月 有限会社ジェイアイティコンサルティングを設立
       Webアプリケーションなどのシステム開発業務を開始
2006年11月 有限会社から株式会社へ会社形態を変更
2010年 6月 省エネ事業を開始
事業計画
2015年  代理店10社(内OEM提供3社)
      導入件数20カ所/年、5000万円/年
2016年  代理店20社
      導入件数40カ所/年、1億円/年

環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

ECOゼウス

インターネット上で、オフィス・店舗といった事業所内の機器を制御できる機器制御管理システムである。制御対象は、照明・エアコン室外機・冷却塔ファン・冷却水ポンプなどである。こうした機器をネットワーク上で管理することで、消し忘れ防止、スケジュール制御などにより、オフィスのエネルギー消費量の削減が可能である。
また、こうした制御に加え、空調領域では、温度変化の無いように小まめな運転・停止を繰り返し省エネを図る「サイクリック運転」と、実際の温湿度状況から快適な空間となるよう自動制御する「不快指数制御」の2つの制御が可能であり、無駄なエネルギーの使用を避けることが可能となる。



事業詳細

事業開始の契機

当時、売上向上を目指して、社内で商材の拡大を検討していた際に、関連会社から空調制御の効果を聞いた。空調制御製品の市場調査をしたところ、季節変動を考慮した遠隔型の空調制御システムは市場には存在していなかった。従来のエアコン制御システムは、室外機に設置して決まった時間に運転・停止を繰り返す、タイマー型のサイクリック制御器のみであった。こうした背景と、自社のシステムスキルを合わせることで、市場を獲得できると考え、開発に至った。
2009年初旬に、まずはサーバーを現地に設置する「オンプレミス型」のシステム開発を開始し、2012年、インターネットを介して一元的に遠隔管理できるようなシステム(以下、クラウド型)の開発に成功した。

事業拡大までの経緯


(1) 事業展開の経歴

<開発初期:2009年~2012年>
前述のとおり、オンプレミス型のECOゼウス初期型の開発を開始、当初はエアコンの制御機能しかなかった。しかし、営業を行う中で、制御だけではなく、導入した後の効果を把握したいという要望が多く寄せられた。こうした意見を基に、2011年から電力量のモニタリングシステムの開発に着手した。

<現システムへの移行:2012年~現在>
上記で開発したシステムを営業していく中で、メンテナンスなどのアフターフォローには人員が必要であり、少数の社員では機器監視などの対応が難しくなってきた。そのため、2012年にクラウド型を開発した。その後、冷水ポンプ、調光制御、冷凍機の制御を得意としている他の企業が、ECOゼウスの遠隔監視機能に着目し、連携することができたため、制御可能機器の種類を増やすことに成功した。



(2) 他社との差別化

  • クラウド化による一元管理
    従来、1つの事業所に高額なサーバーを1台ずつ設置する必要があるが、クラウド型の場合は通信機のみでよく、導入コストの低減が可能である。特に、複数店舗を保有しているコンビニやファミレス等が導入する場合、コスト削減効果が非常に高い。
    また、一元管理を行うことで、同時に各機器の監視を行うことが可能であり、トラブル時の対応がスムーズに行える。
  • 温湿度制御のノウハウ
    これまで、多くの事業所で導入、実証を行ってきており、こうした現場でのノウハウから、温度・湿度の両方を計測し、快適環境を作り出す独自の制御方法を保有している。


(3) 現状の改善点

  • 営業力不足
    少人数で営業から開発、アフターフォローまで行っているため、どうしても新たな顧客獲得に注力することが難しい。
  • 信用力不足
    中小企業のため、技術やアフターフォローの面でお客様に不安がられることが多い。そのため、導入実績やその効果、また会社HP、製品紹介資料などを整理し、信用力増強に努めている。


これまでに直面した壁

  • 設備設置事業者の選定
    ECOゼウスを導入するには、通常の電気工事とは異なる特殊な設備工事が必要になる。初期の頃は、こうした工事会社の「つて」が無く、選定に非常に苦労していた。そのため、積極的に展示会などに出展し、自社のHPを整理するなどにより、外部の企業と接触を図るようにした。その中で、工事コストを抑えられるよう、工事部隊を持っているような会社と代理店契約を結び連携を行うようにした。
  • 導入コスト
    製品自体の導入コストが高く、効果はある程度実証されても、なかなか売ることが難しかった。そのため、常にハード面の見直しを行い、原価の削減を図った。また、2012年7月の電波法改正により、産業用に920MHzの無線が使用可能となったことから、システム通信を無線型に切り替え、導入コストの低減が可能となった。他の企業の同等品と比較して、約半分程度に抑えられている。

今後伸ばしていきたい点

今後は、アジアを中心とした海外展開を検討している。そのため、システムの多言語化を行っており、台湾語、中国語、英語、韓国語を採用している。

環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

中小企業が1社単独で事業を行うのは難しく、他の企業との協力関係を築くことで、強力な集合体として事業展開を行っていく必要がある。そのため、ビジネスマッチング等を行っている団体等に加入することがオススメである。
また、中小企業は企業機密に関する意識が低いことが多く、保有技術を盗まれるなどの知的財産の侵害が非常に起こりやすい。こうした点に気を付けて業務を行うことが大きなポイントである。