企業基本情報
事業者名
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株式会社エスコ
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所在地
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〒169-0074 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー12階
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主な事業内容
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・省エネ、エネルギーコスト削減コンサルティング
・省エネ、省コスト製品、サービスの導入、運用、保守 ・キュービクル(高圧受変電設備)の保守点検 ・環境、CO2削減コンサルティング ・省エネ法、温対法等各種条例対応業務 ・新電力サービス導入支援 ・太陽光発電システム設計、施工、保守、メンテナンス ・電気設備工事、省エネ設備更新、改修工事 |
代表者
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代表取締役 安西 裕
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従業員数
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140名
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創業年
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2005年8月
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資本金
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1億円
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URL
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会社沿革
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2005年 8月 株式会社エスコ設立
2005年 8月 高圧受変電設備保安点検業務の開始 2005年10月 電子ブレーカーの開発、発売開始 2007年 6月 電気保安法人として電気保安管理業務の開始 2010年 2月 一級建築士事務所開設 2010年 4月 特定建設業許可取得 |
環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容
<省エネ・省コスト機器導入・設備更新事業>
様々な施設の省エネ・省コストを目的とした機器の導入や設備更新(リニューアル工事)を行う。特にLEDと電子ブレーカーに関しては大きな強みを持っている。LEDは自社で企画したOEM製品を使用しており、従来品と比べ照度を下げ、消費電力が少なく省エネ性能の高いものとなっている。また、電子ブレーカーに関しても、独自の品質基準を設け、不具合などの発生を抑えた信頼性の高いものである。エスコで取り扱っている導入機器・設備更新例の一覧を表2-1に示す。
表2-1 省エネ・省コスト機器・設備導入例一覧
No.
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導入機器・設備例
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詳細
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1
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LED
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国内・海外メーカーとの連携による低価格・高品質LED。消費電力50〜80%削減
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2
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インバータ制御システム
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換気、空調、ポンプ、コンプレッサーなどにおけるインバータ制御を用いたコスト削減
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3
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遮熱フィルム・遮熱塗料
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フィルムや塗料の遮熱性と断熱性能による消費電力削減
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4
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熱源システム
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費用対効果の高いボイラーやチラーなどの熱源機器でコスト削減。エネルギーコスト10~20%削減
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5
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EMS(エネルギーマネジメントシステム)
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エネルギーの見える化や、機器(空調・換気・照明など)の自動制御による省エネ化
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6
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デマンドコントローラー
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空調、照明などの機器を自動制御することで、電力負荷が高い時期の契約電力超過を防止
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7
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電子ブレーカー
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従来のブレーカーを高性能電子ブレーカー(CPU制御)に代え、電力契約を変更することにより、電気基本料金を平均50%削減
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8
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キュービクル保安点検サービス
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キュービクルの低コスト保安点検サービス。最大40%のコスト削減
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<コンサルティング事業>
上記の省エネ・省コスト機器を単に導入するだけではなく、省エネ補助金などを活用してできるだけクライアントにコストメリットのある形で導入してもらうため、省エネルギー手法に関してのコンサルティングに加え補助金・助成金の活用提案なども併せて行っている。また、水道光熱費の適正化や省エネ法対応に関してのコンサルティングも行っており、提案から設備の導入まで一貫したサービス提供を行っている。
<エネルギーサービス事業>
エネルギーサービス事業では太陽光発電システムなど再生可能エネルギー発電設備の設計・施工、保守・メンテナンスなどを行っている。また、最近では新電力事業も開始している。同サービスでは、エスコが電力を供給するのではなく、クライアントの電力使用量を分析し、コスト削減効果の大きな新電力事業者を選定し、電力供給契約の締結までサポートしている。

図2-1 新電力サービス
事業詳細
事業開始の契機
平成8年にキュービクル(高圧受変電設備)の保安点検が自由化され、民間企業でも資格を持てば同業務への参入が可能となった。これまで関東電気保安協会などの独占市場だったが、価格競争力を確保することでビジネスチャンスにつながると考え会社設立に至った。
事業拡大までの経緯
(1) 事業展開のきっかけ
設立当初はキュービクルの保安点検業務を行っていたが、高機能電子ブレーカーをOEM生産するようになり事業が拡大した。特に全国石油業共済協同組合連合会等との提携により同ブレーカーをガソリンスタンドに広く普及することができ、信用力が強化され、更なる拡販につながった。また、東日本大震災後に省エネ意識が高まり、大手のマンション、ビル管理会社やコンビニエンスストアなど様々な企業が省エネ化に乗り出し、更なる売上の拡大につながった。
(2) 補助金の利用
コンサルティング事業において省エネに関わる多くの補助金を活用している。特に経済産業省の「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」は対象としている省エネ機器・設備の範囲が広く使いやすいため、多くのプロジェクトにおいて活用している。
表3-1 取得補助金一覧
補助事業元
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補助事業名
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プロジェクト
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経産省
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エネルギー使用合理化等事業者支援補助金
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非公開
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(3) 他社との差別化
- 徹底したユーザー目線
徹底的に顧客目線に立ち、特定の企業の商材を扱うのではなく、ユーザーの要望に合わせた製品・サービスの提供及びコンサルティングを行っている。 - 商材のパッケージ化
様々な商材を取り扱っており、多くの選択肢をユーザーに提供することができる。 また、商材を組み合わせて提案できるため、ユーザーとしてエスコとの契約のみで様々な省エネ・省コストが実現できる。環境・エネルギー事業に特化してここまで多くの商材を扱っている企業は少なく、非常に大きな強みとなっている。
(4) 現状の改善すべき点
- 多様な取り扱い商材に対応できる人材・組織体制の強化
多様な商材を扱っているため、社内業務における工数も多くなるのはもちろん、社員教育や管理体制の強化などが必要となっている。
これまでに直面した壁
・電子ブレーカーの品質不良への対応
当初、電子ブレーカーは品質不良が多く発生し、コストメリットは明らかでもユーザーから問題視されることもあり、営業活動が実を結ばないこともあった。エスコで扱っていた電子ブレーカーも同様で、同事業から撤退する企業が相次いだ。しかし、エスコでは撤退するのでなく、OEM先の工場に出向き、製造から品質管理までの一連の工程を大きく改善させることでこの課題を克服した。
・自社LEDの開発
当初、LEDは商材として扱ってはいたものの、商品開発の知識を持つ社員はいなかった。しかし、エスコの電子ブレーカー事業における企業との豊富なネットワークや顧客基盤を魅力と考えてもらえるLEDメーカーを探し出し、共同で企画開発できるよう協力関係を構築し、LEDを開発してOEM製品として販売した。
今後伸ばしていきたい点
今後は、ビルやマンション等の設備更新・改修及び今後の市場ニーズに則した新しい省エネ商材の導入を強化していきたいと考えている。多くの施設管理会社は管理業務のみを行い、効果的な省エネ・省コスト、補助金活用の提案などは行わない。そのためエスコでは製品・サービスのパッケージ化による提案能力の強化を図っていく。また、多くの商材を扱っているため、人材育成には相当な時間を要するものの、更なる事業展開と他社との差別化を実現するためには必須と考えている。
環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ
環境・エネルギー事業は国や官公庁の制度の影響を大きく受けやすい。しかし、当社は多様な商品を扱うことで制度変更によるリスクを分散している。そのため、1つの商品の売上に依存するのではなく、収益源を多様化させることが環境・エネルギー事業で成功するためには重要と考えている。