小規模事業者を中心とした中小企業を取り巻く環境は、厳しさを増しています。そのような中で、経営改善に取り組もうとするも、以下のような状況で進められないと感じられる経営者の方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
- 本業が忙しく、いつも経営改善が後回しになってしまう
- 周りに相談相手がおらず、自分では課題の整理が難しい
- 課題が多すぎて、何から手を付けてよいかわからない
- 経営を本気で改善したいが、自分一人ではなかなか進められない
経営改善の取組みを進めるためには、直接的な利害関係のない専門家の助言を受けつつ、経営や事業に関する計画を策定することをお勧めいたします。
計画を作られたことはありますか
以下の図は、中小企業庁がとりまとめた小規模企業白書(2016年)にて、経営計画を作成した効果として、経営計画の作成の有無と業績傾向との相関を示したものです。これを見ると、「作成したことがある」者の方が「作成したことがない」者に比べて売上高が増加傾向にあることが分かります。
小規模企業白書(2016年)の別調査では、経営計画を作成した効果として、「経営方針と目標が明確になった」「自社の強み・弱みを認識できた」などの現状把握に関するものが、回答が多かったものとして挙げられています。また、小規模企業白書(2020年)において、以下のとおり、現状把握の有無と売上や利益等の相関関係が示されています。これを見ると、「現状把握が十分と評価している」者の方が「現状把握が十分と評価していない」者に比べて売上高・経常利益などが増加傾向にあることが分かります。
このように、計画策定や現状把握が、売上等に対して良い影響を及ぼしている可能性があります。特に、計画策定には、以下のようなメリットがあり、経営改善の取組みを強力に進める手助けとなるでしょう。
策定メリット1.経営理念の設定により、会社に良い変化を促すことができます
この事業をなぜ行うのか、その目的を明確化します。
良い方向に会社が変わるためには、経営者自身が変わらなければなりません。
経営者が、事業の目的や理念を改めて定義することで、会社に良い変化を促します。
策定メリット2.経営の現状認識により、チャンスを捉えることができます
現在の経営状況を正しく認識します。
経営改善の第一歩は、自社の現状を正しく認識することです。
経営者が、現状認識により、自社の強みを活かし、チャンスを捉えるができます。
策定メリット3.具体的な目標の設定により、将来の理想の姿をイメージできます
3~5年の具体的な目標(定性的・定量的)を設定します。
目標がなければ、具体的な改善策を打ち出すことができません。
経営者が、自ら目標設定することで、理想の姿を具体的にイメージすることができます。
策定メリット4.経営課題の設定により、課題解決策を決めることができます
経営状況から目標達成に向けた課題とその解決策を明確にします。
目標と現状のギャップが課題として明確化できてなければ、改善を進めることができません。
経営者が、課題設定と解決策を定めることで、具体的な改善が可能になります。
策定メリット5.スケジュールの設定により、課題解決策を効率的に進めることができます
課題解決をどのような手順で行うかのスケジュールを設定します。
手順が不明確な状態では、改善の取組みスピードが遅くなってしまいがちです。
経営者が、スケジュールを立てることで、経営改善スピードやその効率を高めます。
東京商工会議所の「計画策定支援」の特長
計画策定の支援は、様々な企業や団体で行われています。
東京商工会議所が行う、中小企業活力向上プロジェクトアドバンス(※)での支援には、以下の特長があります。
特長1.経営者が、自ら、計画を策定すること
自らが主体的に計画の策定を行うことを通して、経営者が現状や目標を腹落ちさせることで、経営改善の質やスピードが上がります。
計画の書き方が分からないという経営者の方にも、記載方法や課題整理について、東京商工会議所の専門家より、丁寧に助言・提案させていただきます。
特長2.無料で支援が行われること
当支援は、補助金で運営されており、事業者の費用負担は一切ございません。
特長3.計画の実行支援が行われること
計画を策定したままにせず、実行支援も行っています。 東京商工会議所の専門家が、進捗確認のほか、経営管理の助言や提案も行います。
- 申込状況により、策定までの支援となることがございます。
- 策定済みの計画がある場合、実行支援のみ行うこともできます。
特長4.丁寧なヒアリングにより適切な専門家が選定されること
支援前に、中小企業活力向上コーディネーター(後述)が会社の状況を丁寧にヒアリングいたします。ヒアリングの上、会社の状況に合った適切な専門家を選定いたします。
特長5.計画策定以外のサポートも充実していること
ヒアリングや支援を通して、新たな問題や課題(販路開拓・資金調達・人材採用・業務効率化等)が発生することがあります。計画策定や実行の支援に留まらず、東京商工会議所が、並行して問題・課題の解決をバックアップいたします。
(※)中小企業活力向上プロジェクトアドバンスの「アシストコース」による事業計画策定の支援となります。当プロジェクトの制度概要が知りたい場合には、こちらをご確認ください。
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株式会社エムジェイネクスト
台東区でバッグのデザインから製造を行うエムジェイネクスト。主力であるOEM事業の売上げがコロナ禍で落ちていく中、渡邉社長は勇気ある事業転換を画策していた。会社の信念を込めた新たな挑戦は実るか? -
田中創美堂印刷株式会社
斜陽といわれる印刷業界で業績を伸ばし続ける田中創美堂印刷。その秘訣は変わり続けること。さらに会社を伸ばすために、田中社長はこれからも変化への道を歩いていく。
まずはコーディネーターにご相談ください!
中小企業診断士資格(国家資格)を持ち、東京商工会議所が選定した「中小企業活力向上コーディネーター」が、事業計画策定前に経営状況を丁寧にヒアリングさせていただきます。加えて、様々な経営課題に対して、専門的できめ細やかな経営相談も受付しております。ご相談はすべて無料で、ご利用に際して面倒な手続きもございません。以下14名の熟練専門家が、皆さまの計画策定や課題解決をお手伝いいたします。
様々な経営課題の相談対応をしております
以下のようなお悩みに対して、丁寧に対応いたします。
コーディネーターの相談予約日程は次項目にてご確認ください。
(商品力、販売力を強化したい(営業展開・売上拡大))
□製品やサービスを開発したが、どこに売れば良いかわからない。
□営業担当者へのOJTと部下育成の方法を考えたい。
□ネットを使った販促や業務効率化を行いたい。
□飲食店の新たな顧客を獲得したい。店舗コンセプトを再検討したい。
【担当コーディネーター】秋島、佐藤、金子(飲食店)、洞口、東條、佐川(ネット)、横山
(経営の見直しをしたい(経営改善/業務改善))
□売上、利益が年々下がっている。なんとか経営を安定させたい。
□経営課題を棚卸して整理し、会社の方向性を見直したい。
□自社の損益構造を把握し損益分岐点売上高について知りたい。
□経営改善のための事業計画の策定方法についてアドバイスがほしい。
【担当コーディネーター】賀須井、田村、坂口、佐藤、藤田、佐川
(資金について相談したい(資金繰り/資金調達))
□キャッシュフローの考え方、原価計数管理、資金繰り表の作成について知りたい。
□資金繰り・融資についてアドバイスがほしい。
□借入金が増えてしまい、足元の資金繰りや将来の事業継続に不安がある。
【担当コーディネーター】賀須井、森尾、平川、横山
(補助金や助成金を活用したい(補助金活用/計画策定))
□補助金や助成金を申し込むにあたり事業計画をまとめたい。
□創業や新規事業展開に向けてビジネスプランを作成したい。
□雇用関係の助成金を活用して、労働環境の整備、向上を図りたい。
→【担当コーディネーター】笠井、森尾、金子、藤田
(社内体制・人材を強化したい(人材活用/組織活性化))
□人事評価制度、賃金制度を導入して社員の満足度を高めたい。
□就業規則の整備や人事評価制度導入に着手したい。
□経営者の考えと社員の行動のギャップを無くしたい。
→【担当コーディネーター】笠井、藤田、東條
(輸出、輸入、海外進出したい(海外展開/海外取引))
□海外展開のために実践的な販路開拓の方法を知りたい。
□海外進出に向けて代理店を発掘し活用していきたい。
□コストダウンのため、部品を輸入したが品質が悪く困っている。
□外国人を雇いたい等の国際化対応の会計・税務上の問題点を知りたい。
その他、創業や事業承継などの記載以外のご相談もお受付しております。
適切な専門家が分からない場合は遠慮なく、中小企業相談センター( 03-3283-7700 )までお電話ください。相談員が丁寧に皆様のお悩みを聴き取り、お悩みを解決できそうな専門家を割当いたします。
コーディネーターの相談予約日程について
各コーディネーターは平日13~16時(13時/14時/15時)の1コマ55分で窓口相談を承ります。(コーディネーターの出勤日が変更する場合もございます(*)。最新の予約状況も含めて、都度お問い合わせください。)
月曜日
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秋島(海外展開・営業展開)12/9・16・23・25*
笠井(社内体制整備・助成金活用)12/2・13*・16・23 |
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火曜日
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森尾(事業計画策定・資金調達と補助金申請)12/3・10・17・24
賀須井(事業再生・経営改善支援・事業計画策定)12/10・17・24 田村(事業承継(後継者育成)・経営改善(管理会計))12/3・10・17・24 |
水曜日
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佐藤(経営課題の見える化支援・営業展開)12/2*・4・11・18
坂口(海外展開・営業展開・業務改革)12/4・11・18・25 平川(創業支援・資金調達と計数管理)12/4・11・18・25 |
木曜日
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藤田(経営改善・人材活用)12/5・12・19・26
金子(飲食店の店舗経営・事業計画策定)12/5・12・19・26 横山(事業ブランディング・事業計画策定)12/5・12・19・26 |
金曜日
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佐川(IT化支援・新規事業展開・新商品開発)12/6・13・20・27
洞口(創業支援・海外販路開拓)12/6・13・20・27 東條(営業展開・組織力強化)12/6・9*・20・27 |