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<エネルギー・環境委員会>
環境ビジネス展開支援 事例紹介

環境ビジネス展開支援 事例紹介

企業基本情報

事業者名
株式会社永和
所在地
東京都墨田区立花4-25-5
主な事業内容
薪ストーブの輸入販売、施工
代表者
富井忠則
従業員数
8名
創業年
昭和52年
資本金
1,000万円
URL

環境・価値観・豊かさを求めて
里山の森と自然エネルギーを考えよう

薪ストーブによる環境効果のPRと導入、自治体等と共存共栄の社会基盤作りの働きかけ


再生可能エネルギー“薪”ストーブ実用化の推進


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環境性だけでない薪ストーブの強み

一般的に木材が燃える時に排出されるCO2の量は、木が成長する過程で大気から吸収・固定する量とほぼ同じです(カーボンニュートラル)。一方、化石燃料ではこの3倍程度のCO2が排出されます。薪ストーブは木材を燃やすため、環境に優しいカーボンニュートラルである点が注目されています。
そして、環境性だけでなく、薪ストーブの本来の魅力である“目を楽しませ、心を癒し、身体を温める”要素もあります。薪ストーブは決して特別なものではなく、お客様の8割が自宅に設置されています。暖かさはもちろん、薪ストーブは密閉されているので、部屋の空気が汚れないし、むしろ部屋の中の汚れた空気を取り込んで燃焼し、空気をキレイにする効果もあります。お客様の中にはアレルギー体質が改善されたという例もありました。
薪ストーブの暖房は空気の乾燥もなく室内の結露も生じません。



雇用の創出と地産地消の実現

薪ストーブを販売するにあたり、原料である良質な薪を十分に確保することが重要です。そこで、CO2削減対策に積極的に取り組んでいる岩手県葛巻町に働きかけ、森林組合と連携した薪作りに取り組みました。
具体的には、間伐材の一部が廃棄されていることに着目し、これを薪として利用することを提案、採用されました。薪作りを行うことにより、葛巻町では高齢者や障害者を含めた地元の雇用が創出されました。また、地元の住宅が薪ストーブを採用することで、地産地消を実現しました。
盛岡市、岩手中央、葛巻町の3森林組合は、統一された規格がない薪について、最適な樹種や大きさ、含水率などを話し合い、独自の規格づくりを目指しています。そして、良質な薪を「岩手ブランド」として売り出し、他産地との差別化を図るなど、地場産業の活性化にも一役買っています。



里山の森の循環システムの構築

燃料となる木材を知ってもらうために、薪ストーブを販売している会社や薪を生産している地方の森林組合に声をかけ、「里山の森活性化東日本地域協議会」を設立しました。この協議会では、薪ストーブの普及だけでなく、里山の森の循環システムの構築、植樹や植林を通じたCO2吸収量増加の推進、自然環境セミナーの開催などを行っています。
※左図参照
※里山の森の循環システムとは
森の健康を取り戻すには適正な時期に間伐、更新、植林という整備が必要です。これらが二酸化炭素の吸収を高め、炭素固定を促します。適切に人が手を加えることにより得られる木質バイオマスエネルギーである薪炭を利用することが健全な里山保全と森林の循環システムを構築することなのです。

メッセージ

「欧米の薪ストーブを購入したのに思ったより暖かくない。」「欧米の薪ストーブは思ったより薪の消費が多い。」等という声を聞きます。これは、欧米の薪ストーブを本来の煙突施工で工事をしていないからです。
日本には、 薪ストーブ・煙突等の施工基準は無いに等しいため、基準の策定を関係省庁に働きかけています。
温暖化対策だけではない、木材本来の良さを皆さんに知っていただきたいと思っています。

メディア情報

暖炉薪ストーブ販売取付工事業(従業員6名):業歴32年、暖房器具として二酸化炭素排出量の少ない「薪ストーブ」を関東一円の戸建て住宅や店舗へ販売、併せて取付工事を請負っている。平成20年9月の売上は対前期比で約10%減。要因は耐震偽装問題で建築許可の大幅な遅れが発生し、受注チャンスを逃したため。平成21年9月期は昨年9月以降の世界金融恐慌の影響で一時的に売上減少したが、今年に入り回復、何とか昨年並みの売上高を確保できる見込み。現在、岩手の葛巻町産業振興協議会と力を併せて「森の再生」に取組むと同時に「薪」の確保にも積極的に動いている。