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導入企業事例

導入企業事例

株式会社東鋼

株式会社東鋼 代表取締役社長 寺島 誠人

創業85年、高い品質と技術力が光る
技術提案型の精密切削工具メーカー

  • 顧客対応・営業
  • 21名以上~50名以下
  • 販路拡大
  • 自社技術・情報の発信、ブランド化
  • 業務効率化・省人化・業務改善
  • 非対面・非接触への対応
  • ECサイト
  • 各種SNS(YouTube、Facebook、インスタグラムなど)
  • オンライン会議ツール

オンラインでの多様な
コミュニケーションを展開。
自社の魅力を広くPRするとともに、
顧客にも今まで以上の価値を提供。

スマートものづくり
事例MOVIE

1現場で課題と向き合う

現場で課題と向き合う

コロナ禍前から定着していた
デジタル営業のノウハウを、
新たな営業方法に生かす

精密切削工具の製造・販売を行っている当社は創業85年、東京に本社、福島に工場を構えており、最近の取引先は自動車や航空機、医療機器などの業界がメインです。私自身、コロナ禍前は国内外に出張が多く、帰社した時に自分の机の上に連絡メモや決裁書類が山積みになっていると気が滅入るので、なるべく出先でスマートフォンやパソコンを用いて処理できるようにしていました。当社営業担当者にも同様にスマートフォンやパソコンを支給しており、それらを活用したデジタル営業が定着しています。

また、2013年までは工場が福島県と茨城県の2カ所にあり、社長の私は年初などの節目では地方にある2工場と本社、合わせて3カ所でそれぞれスピーチする必要がありました。そこで、長距離移動や3カ所で同じ内容のスピーチをする時間と労力をなくそうと、オンライン会議を提案。当時は高価だったプロジェクターやスピーカー、マイクを購入したのですが、15年以上使用したのですっかり元は取れていると思います。

このように、当社では早くからデジタルでのコミュニケーションを実践していることや、一般の会社でもインターネットで欲しいものを購入するという動きが増えていることを踏まえ、「営業担当者が企業を回ることだけが営業なのだろうか」と疑問を抱いていました。そんな折に、コロナ禍となり、人の移動に制限がかかったので、いよいよ新たな営業方法を考える時が来たと思いました。

2スマートものづくり実践

スマートものづくり実践

専門サイトとオンラインショップを開設、
情報発信先と販路を広げる

あるオンラインセミナーに参加した縁で、コンサルティング会社からダイレクトメールが届き、「DX営業」と書いてあったので興味を持ちました。すぐに連絡し話を聞くと、当社で考えていた新たな営業方法と合致したので、試しにやってみることにしました。コロナ禍で外出に制限があったことに加えて、求人しても職種が営業だと応募が少ない状況でした。さらに、若い世代はメール等のコミュニケーションツールに慣れていて、直接会って話すことを嫌うと聞くし、現在は働き方改革で営業活動の時間も限られています。そのような中で、DX営業はピンチをチャンスに転換するチャレンジだと考えました。

具体的には、まず2021年10月に「特殊精密切削工具.com」という技術提案の専門サイトを立ち上げました。その中で、「バーチャル工場見学」「オンライン技術相談」を行ったり、YouTubeで工場の技術を紹介したりしています。22年からは「オンライン工場見学ツアー」も実施し、好評を得ています。顧客が実際に工場を訪れたかのような視点で見学でき、リアルタイムで質問できるので、知りたいことや聞きたいことをクリアできます。さらに、切削工具に関する無料オンラインセミナーも開催。6回シリーズで「工具材料」「熱処理」などのテーマを取り上げており、1回につき1時間程度。講師は工場の職人や技術担当者で、私も講義をしたことがあります。サイトを開設しただけではダメで、内容を更新し続けていくことにより、多くの人に気付いてもらう仕掛けが必要だと感じています。

当社は、毎月1回「東鋼レター」というメールマガジン(登録者約3,000人)を発行しており、その中でこれらの企画の告知をして、興味のある人が参加してくれるという流れです。そのほかには「PR TIMES」というプレスリリース配信サービスも利用しています。

このサイトと合わせて、21年11月には東鋼公式通販サイト「東鋼オンラインショップ」もオープン。まだそれほど売上はありませんが、実店舗と違って担当者が常時張り付いている必要がないので、気長に構えています。当社製品は「モノタロウ」などのECサイトにも出店していますが、販売ルートはいくつも持っている方が良いと考え、自社通販サイトもさらに工夫を重ねていく予定です。

3課題解決

課題解決

ネット環境の整備と新たな企画で、
売上に結びつく工夫を続ける

「Googleアナリティクス」というアクセス解析ツールにより、サイトにいつ・誰が来たか・何人訪問したかなどの分析ができるので、今後のサイト改善に役立てています。サイト開設から1年経って、ようやく人が集まるサイトになってきたと感じています。とはいえ、訪問人数に一喜一憂するのではなく、当サイトを通して見積もり依頼がくることが第一歩だと思っています。このところは毎月数件新規の引き合いがあるので、少しずつ成功の手応えを得ています。

当社の営業では、顧客が困っていることをどう解決できるかの提案が重要なポイントです。営業担当者が顧客を直接訪問すると1人での対応になりますが、オンラインでの対応だと、工場の技術・設計担当者や必要に応じて社長の私も、顧客の話を一緒に聞いて「こんなやり方はどうでしょうか」と提案をすることができます。これは顧客にとっても今まで以上の価値があることに他ならず、あえてオンラインを要望される方もいるほどです。

今後は、オンライン営業をさらにスムーズに展開できるよう、ネット環境を整備していく予定です。工場紹介の動画はブラッシュアップして、展示会等のイベントでも活用したいと思います。

いずれは海外企業向けに英語での、オンライン工場見学ツアーやオンラインセミナーを行いたいと考えています。オンラインだからこそ距離を超えて世界中と繋がることができるので、今後の新たな取引のご縁を期待しています。

新しい視点でまずやってみる。やってみなければ分からない

POINT
  • 人が動く時代ではない、オンラインで人を繋ぐ時代。時代の変化に焦点を合わせて考える。
  • ウェブサイトは作っただけでは意味がないので、内容を更新し続けることが重要。
  • 自社主催のオリジナルオンラインセミナーでファンを獲得。中小企業では実施が難しいと言われるが、現場のスタッフに登場してもらうなど工夫すれば十分に可能。
  • サイト訪問者数やオンラインショップの売上などに対して、すぐに結果を求めない。最終目的は自社のファンをつくり、売上を増加させることである。

企業情報

会社所在地:東京都文京区本郷5-27-10
電話:03-3815-5811
従業員:48名
創業:1937年
資本金:6,286万円
web:http://www.toko-tool.co.jp
2023年2月時点