導入企業事例

導入企業事例

現場の効率化(IT,IoT,スマートグラスなど) 販路拡大(ユーザーボイスの活用など) コミュニケーションの促進(情報の共有)
横井醸造工業株式会社

横井醸造工業株式会社 代表取締役社長 横井 太郎

都内で唯一お酢を製造し、
江戸前寿司に欠かせない存在に

業務用がコロナ禍で大打撃。
販売チャネルを一般消費者へ広げる。

スマートものづくり
事例MOVIE

1現場で課題と向き合う

業務用への比重の高さがコロナ禍で課題として浮き彫りに

業務用への比重の高さが
コロナ禍で課題として浮き彫りに

当社は創業から約80年、現在では東京で唯一お酢を製造している会社です。関東一円の江戸前寿司店に欠かせない存在である赤酢をはじめ、当社のお酢は老舗などで数多く使われています。一般消費者向けに約10種類のお酢を販売し、さらに飲食店向けにそれぞれの要望に合わせた配合のお酢の製造もしており、売上のほとんどが飲食店等の業務用。しかし、業務用に特化した売上構成や、自社製品がお酢という狭いカテゴリであることに漠然と不安は感じていました。ホームページは20年ほど前からやっていますが、BtoB向け。ギフトセットを展開していたものの、コンセプトやストーリーがないまま思いつきでやっていたのでデザインも出す度にバラバラでシリーズ化もできていない。ECサイトは10年以上前から開設していましたが、ただ商品を載せただけで何も工夫しておらず、実質的にはほとんど売れていない。いずれ販売チャネルを広げよう、業務用だけでなく一般消費者もターゲットに取り込もうと思いながら、ほとんどできていなかった。そこへ起きたのが新型コロナウィルス感染症拡大の影響でした。
 当社のお客様は飲食店がほとんどなので、コロナにより飲食店が打撃を受けると、当社の売上もたちまち激減しました。3~5月は売上が最も落ち込んだ時期。ステイホームが提唱され、外食よりも家で料理をして食事をするようになり、さらに非接触型の営業スタイルのニーズが大幅に増えていくなか、それまで後手に回したままだった一般消費者向けのテコ入れをしようと考えたのです。

2スマートものづくり実践

若い社員のアイデアを取り入れてSNSや動画配信を自社で展開

若い社員のアイデアを取り入れて
SNSや動画配信を自社で展開

一般消費者向けの販路拡大の手段として、まず今あるプラットホームとしてホームページを活かしていく工夫に着手したのが4月。すると、若手社員から「SNS」や「動画配信」をやったらどうかという提案があがってきました。私にはわからない世界でしたが、前向きな発言にはまずやってみようと決断するのが私のモットーです。また、当社は全員が正社員という同じ環境で同じベクトルに向かって行く体制を大事にしており、製品開発、製造、営業、お客様への納品まで全て自社の社員が行う一気通貫のやり方にもこだわってきました。これを続けてきたことで、お客様の声をダイレクトにキャッチするとともに開発やサービスに活かすことができ、お客様との絆も強いのが当社の強みです。SNSの活用にも自前主義を貫き、社内でできることをやっていくということにしました。折しも、コロナで売上が激減して時間に余裕があったため、SNSの拡充に使える社員たちの時間はたっぷりありました。
 SNSも動画配信も「何を載せるか」というネタ探しが大変です。まずは、当社製品を使ったレシピの紹介。お酢は今日の健康志向に合致した調味料なので興味を持ってもらえるだろうと予想しました。レシピ考案も、食材の買い出しや調理も、撮影も動画編集も全て社員が行いました。また、当社製品を使ってくださっている飲食店の料理を撮影して紹介。これまで30店舗くらい紹介できました。もうひとつ、意外にヒットしたのがアニメでした。これはイラストを描くのが趣味な社員が4コマ漫画を描いてSNSにアップしたのですが、クオリティが高く、若い世代のフォロワーがぐんと増えました。

3課題解決

新たなユーザーを掘り起こし当社のファンを増やすことに

新たなユーザーを掘り起こし
当社のファンを増やすことに

2020年5月末に始めた時に10人ほどだったフォロワーは、半年後には1200人を超えるまでになり、その後も徐々に伸びています。動画配信の面白さを感じたのは、それまで全く売れていなかった商品があったのですが、動画でレシピをアップしたら1週間以内に何本か売れたこと。発信しているだけでは反応がよく見えないなか、こうして売れたという事実があると手応えになります。SNSを通じてヒットしているのは、アニメ。SNSを観た方が当社のホームページに入ってくる確率を解析していますが、アニメからの誘導がトップとなっています。このように動画やSNSをやることにより、これまで当社のことを知らなかった一般消費者の方々や、お酢は体にいいから飲んでみたいと興味を持ってくださる方々など、従来と違うユーザーもホームページに入ってきてくれるようになったことは大きな成果だと思います。それらを通じて、業務用のお客様とは違う視点からの要望も聞こえてくるようになりました。一例では、ギフトに使いたいのでパッケージをオシャレにして欲しい、容器の大きさを統一させてほしいなど、こちらにとって新たな気づきを得る機会にも繋がっています。
 まだ売上的には、業務9割に対して一般消費者向けは1割程度ですが、将来的には全体の3割まで伸ばしていけるよう、今後もSNSや動画は続けていく方針です。社会がWithコロナの方向に向かい、当社も通常の業務の忙しさが戻ってきたので、社員には本業を行うと共にSNSの拡充に使える時間を確保できるよう、配慮しています。

日頃から社員とコミュニケーションを通じて人材活用のヒントを得ておく

日頃から社員とコミュニケーションを通じて人材活用のヒントを得ておく

 当社の社員は50人。やや多めの1学級くらいの規模なので、コロナ以前は毎日の朝礼で全員集まり、全社員の顔がよく見えていました。私から一方通行の話ばかりではなく、双方向のコミュニケーションを大事にしてきました。そんなやりとりの中で社員一人ひとりの性格や得意なものがわかっています。そこから今回のSNSや動画配信も実現できたと言えるでしょう。自社の人材をよく見渡し、原石を磨き能力を伸ばしやすい環境を作ることも経営者の大事な役割。そうすれば、いろいろな可能性にチャレンジしていける会社になれると考えています。

企業情報

会社所在地:東京都江東区新木場4-2-17
電話:03-3522-1111
従業員:50名
創業:1937年
資本金:1,000万円
web:https://www.yokoi-vinegar.co.jp/
2021年2月時点