導入企業事例

導入企業事例

現場の効率化(IT,IoT,スマートグラスなど) 販路拡大(ユーザーボイスの活用など) コミュニケーションの促進(情報の共有)
株式会社マツブン

株式会社マツブン 代表取締役社長 松本 照人

自社の強みを軸にブランディングし、
企業ロゴなどを手掛ける刺繍メーカー

刺繍の技術を軸に
インターネットを駆使した発信に注力

スマートものづくり
事例MOVIE

1現場で課題と向き合う

主要取引先からの受注が急減し、新規開拓に追われる日々

主要取引先からの受注が急減し、
新規開拓に追われる日々

当社は手刺繍の職人だった祖父が創業し、2代目社長の父が機械刺繍に転換してアパレルの下請けの刺繍を行ってきました。学校卒業後10年間外資系企業で営業とマーケティングを担当していた私が当社に転職した2000年、アパレル業界は国産から中国産への切り替えが進んでいました。それに伴い、刺繍も中国で行われるようになっていたため、当社の売上は過去最低にまで落ち込んでいる状況。私は必死で飛び込み営業をしたり、自分でホームページを作成し「刺繍承ります」とアピールしたりしていましたが、なかなか受注に至りませんでした。
 さらに、2001年には売上の3割を占めていたブランドがなくなり、その3年後には売上の2割だった他のブランドもなくなり、2005年までに父がやってきたアパレルの下請け刺繍の売上の9割が消滅してしまう事態に陥りました。
 そのままいけば会社の存続が難しかったと思いますが、2001年に私が作ったホームページを見て一般企業から「ワッペンは作れますか?」という問い合わせがあったことが大きなヒントとなったのです。「作れます」と答えて刺繍したワッペンを納品したところ、その後もいくつか同じような問い合わせがあり、それまで下請けの刺繍で売上を作ろうとしていましたが、事業の方向を変えようと考えました。自社の刺繍製品を作り、下請けではなく一般企業と直接取引ができるようにしようと新たな事業計画を立てたのです。2002年から、企業のロゴを刺繍するオーダーメイドのポロシャツ製作を始め、ワッペンと並ぶ主力製品に。さらに2005年にはギフトショーでまだあまり知られていなかった今治タオルと出会い、企業のロゴを刺繍して販売することになり、これも現在の主力製品のひとつにまで成長しています。
 こうして一般企業向けの事業に切り替えたため、これまで下請けとして刺繍の請負を目的としていたホームページなど広告宣伝ツールは、全て一新する必要がありました。

2スマートものづくり実践

ターゲットを明確にして発信、細部まで自社のこだわりを徹底

ターゲットを明確にして発信、
細部まで自社のこだわりを徹底

2000年に初めて自分で作成したホームページは、4年ほど稼働させ、その後は専門の企業にお願いすることにしました。ポロシャツ製作を行っている他社のホームページを見るとワイワイと仲間で集まっているサークル風の写真があるなど柔らかい雰囲気のものがほとんどですが、当社は法人向けを意識してかっちりとしたイメージにすることを心がけました。
 あるキーワードを検索するとその結果に連動して当社の広告が表示されるようになるリスティング広告は、2003年頃から始めました。これはユーザーが広告文章をクリックする回数で課金されるものですが、当時はまだ黎明期で制作業者や代理店が存在しておらず、最初は自力で。検索エンジンとしてはヤフーが人気でしたが、うちは日本に入ってきたばかりのグーグルを使っていたのでまだ安く1クリック9円でした。ユーザーが検索すると自社がなるべく上位に表示されるようにするSEO対策も自分で工夫してやってみました。
 しかし、なんとか自分で作ることはできても素人のやることですから限界があります。例えば、ホームページは、見やすくできているか、受注に至るような動線を考えた構成にしているかなどのユーザビリティに配慮したものは、やはりプロの技が必要です。また、リスティング広告も私が自力で始めてから5年ほど経つと広告代理店や制作を専門にする企業が誕生してきたので、それもプロの力を借りることにしました。2012年頃には、ホームページ、リスティング広告、SEO対策などは全て外部委託するようになりました。もうひとつこだわっているのは写真撮影や動画撮影も必ず専門の方に頼むこと。デジカメやスマホで自分たちが撮影するのとはレベルが全く違い、自社製品の魅力をしっかりと伝えるためには必要なことだと考えています。お客様の声を掲載するページは、よくあるAさんBさんなどの匿名ではなく、すべて実名で顔写真付きで登場していただき、信頼性を高めています。
 2021年1月に完全リニューアルしたホームページでは動画も掲載し、「マツブンチャンネル」という動画配信もスタート。生地の質感などは写真より動画のほうが伝わりやすいことと、会社のリアルな雰囲気を伝えるためにも動画は効果的だと思います。また、社員のアイデアで、お客様からよくあるお問い合わせのQ&Aを動画で説明できるようにもしています。
 さらに、非接触型営業としてオンライン営業で見積りができる仕組みも始めました。

3課題解決

お客様の声を手応えに、さらなる成長へ

お客様の声を手応えに、
さらなる成長へ

アパレル業界や刺繍業界では知られていた当社でしたが、2000年頃は一般企業にはほとんど無名の存在だったため、刺繍の下請けから一般企業向けの刺繍入り製品に切り替えて営業をしていく中で、信頼を得るのに最初は随分苦労しました。的確な広告展開を続けることにより受注が伸び、製作実績が増えていくにつれて信用力もぐんと高まったと実感しています。
 ホームページ拡充などインターネットで行う広告宣伝は距離を超えてPRできるので、北海道から沖縄まで日本全国のお客様から注文をいただいています。使いやすさ、見やすさ、デザイン性共にクオリティの高いホームページにしていること、リスティング広告やSEO対策などネットの優位性を上げる仕掛けを使っていることが相乗効果となり、売上は年々伸びています。
 以前と異なりお客様の声が直接聞けるのも大きな手応えで、業務改善や新たな製品企画に繋がっています。一例では「夏はポロシャツをやっているけど冬は何かないの?」という声に応えてブルゾンを企画し、それが新たな製品になっています。ポロシャツを作ってくれたお客様に同じロゴの刺繍で今治タオルをお勧めするなど、商品の横展開もできるようになりました。
 私が入社した時の従業員は父、母、伯父、私を含めて6名で売上はどん底の4,800万円でしたが、現在は従業員20名、売上3億円となっています。また、2020年はコロナ禍ではありましたが前年比115%の売上を達成しました。今後も新たな商品の展開を考え、刺繍による企業ブランディングを支えていきたいと考えています。

自由な発想で、思い切って挑戦して変化に挑む

自由な発想で、思い切って挑戦して変化に挑む

 私が会社を継ぐ以上、2代目社長の父と同じことをやったら面白くないと考えました。親と同じことをやるなら私が継ぐ意味がないし、それだったら継がなかった。父は自由にやらせてくれましたし、「自分のやり方で、自分で市場を作りたい」と思ってがむしゃらにやってきたことが、結果的に今の成果を生み出したのだと思います。
 同じビジネスがずっと安泰で続くわけがありません。今うまく行ったとしても何もしなければ次の10年後はないと思っています。だから、常に先を考え、変化を恐れず、挑戦し続けなくてはならない。それは大変ではありますが、楽しいことでもあります。

企業情報

会社所在地:東京都足立区六町2-6-21MEビル
電話:03-3884-6694
従業員:20名
創業:1939年
資本金:1,000万円
web:https://www.matsubun.com/
2021年2月時点