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導入企業事例

導入企業事例

株式会社タック印刷

株式会社タック印刷 代表取締役 髙田 朋幸

工業部品としてのラベルを製造。
印刷技術や品質・納期管理を
徹底し、顧客の信用を獲得

  • 製造、生産管理
  • 間接業務
  • 21名以上~50名以下
  • 業務効率化・省人化・業務改善
  • ミス削減・不良率低減
  • コミュニケーションの向上
  • ハードウェア(機械、タブレットなど)
  • 生産管理システム、販売管理システム(製品・部品在庫管理、原価管理など)

高品質&納期厳守のため、
人的作業のシステム化で生産性向上

スマートものづくり
事例MOVIE

1現場で課題と向き合う

現場で課題と向き合う

受注増に伴い、
伝票の入力作業など
人的作業がキャパオーバーに。

当社の製造しているラベルやシールは電気製品や工業機械などに貼られる特殊なものです。製造番号のナンバリングなどにミスプリントがないか、メーカーの要求通りの色が出ているかなどの品質、さらに耐久性などの強度も要求され、印刷に高度な技術を要します。リーマンショック後に売り上げが低迷しましたが、展示会出展など営業活動を展開するとともに、2011年には業界初のロールtoロールのレーザーマーキングシステムを導入しました。
 製造体制を拡充し、営業の成果が出て受注が増えていくと、営業部門の業務が増えました。受注すると、ファイルから設計図を出してその図面に基づき、印刷仕様や数量、納期など製造に必要な情報を伝票へ入力します。しかし、その件数が膨大で、営業部門の従業員2人は受注入力だけで1日が終わってしまって他の業務まで手が回りませんでした。営業も製造も互いに忙しいことは理解していたものの、煩雑さが積もり積もって不満を抱き始めました。以前から、納品書や請求書を発行するシステムのようなものは導入していましたが、他の業務に応用できず、これを機に受注業務で使えるようなものに一新したいと考えました。もはや、「営業業務の効率化を図らなければ安心して受注できない」とも言えるほど、現場はバタバタしていました。

2スマートものづくり実践

スマートものづくり実践

従業員たちの要望を取り入れ、
カスタマイズしたシステム導入

例年8月は業務がクールダウンする時期なので、そのタイミングで導入しようと計画。まず、営業の従業員に協力してもらい、印刷仕様などの全てのデータをシステム向けに再度入力する作業を2~3カ月で完了させ、それを元に19年8月から営業業務システムをスタートしました。システム業者は、ラベル印刷会社に特化したものを手がけているところを選定したので、業界の業務をよく理解していました。さらに、在庫管理の課題対応やEDI(電子データ交換)などについて、当社の要望を実現できるようカスタマイズしたのが良かったと思います。
 私は商工会議所などが発信している情報を自主的に収集しています。今回の営業業務システムの導入にあたり、知り得た情報の中から東京都中小企業振興公社の助成金を活用することにしました。
 20年11月からは、製造業務システムを導入。営業業務システム導入時に社内のロットナンバーを作り、それを製造に紐付けたので、スムーズな製造の進行管理が可能になりました。システム導入においては、各従業員の業務の進捗状況を全体で共有でき、誰でもすぐに扱えるという点を重視し、どういったシステムが自社にとって最適か検討しました。システム業者からは、各フロアへの二次元バーコード読込装置やPCの設置などを提案されましたが、私は手軽に扱えることにこだわり、Windowsのタブレットを利用することになりました。
 営業業務システムの準備段階の頃から、営業部門の従業員がシステムに対するリクエストを積極的に出してくれました。それらに対応して仕上げたシステムなので、皆が理解して活用できるようになっています。
 製造業務システムを導入した時も、「営業があれだけ活用しているのだから製造も大いに活用したい」と製造部門の従業員が前向きに捉えてくれました。作業日報や予定表をいちいち書かなくても済むようになるなどのメリットも理解してもらえたので、社内全体が協力的で特に研修などもせず、システムを使いながら覚えていくことができました。

3課題解決

課題解決

システム導入が社員の
やる気も促す結果に。
さらに次の課題解決のための
システム化にも挑戦。

コロナ禍前の19年までは売り上げが年2~5%程順調に増加し、20年はコロナ禍で売り上げが約20%減となったものの、同年10月以降、業績が回復するお客様が増え、当社の受注も増加。21年度は前年度比30%増の見込みです。1日に300点の注文が一気に入っても、システム化のおかげでスムーズに業務が遂行できています。さらに、ほぼ定時で仕事を終えられています。以前は、1日かけてせいぜい50点の受注入力しかできなかったので、大きな成果です。また、お客様の要望で商品の仕様や納期の変更などが発生しても、その連絡を受けた従業員がシステムのデータを見ればすぐに内容が分かるので、業務の標準化とともにクイックレスポンスができ、顧客満足度も向上しました。
 システム導入の費用は、営業業務システムが約1,000万円で、そのうち1/2は補助金を活用でき、製造業務システムは約500万円でしたが、業務の効率化と売り上げの増加により、十分に費用対効果の手応えを得ています。
 現在は、さらなる生産性向上を目指して、営業部門がExcelで作成している見積書の作成システムの導入に着手したところです。見積もりから受注時に仕様の再入力を行わなくても、製造まで一括で管理できることを目標としています。さらに、直近の納期から中期的な納期まで見通せるようなシステムも欲しいと考えています。それはAIの世界かもしれません。
 数字的な成果もですが、システム導入により営業・製造部門それぞれの従業員が互いに理解し合えるようになり、コミュニケーションが円滑になったことが何より嬉しいです。受け身ではなく、より良い業務の体制を自ら考えて提案するような風土が醸成されてきた手応えも感じています。

業務を改善でき、従業員にとって使いやすいシステム作りにこだわる。

自社の業務を改善でき、従業員にとって使いやすいシステム作りにこだわる。
  • 日頃から幅広い情報収集を心掛け、活用したい情報を得たらすぐに行動。補助金などを上手に活用して費用を確保。
  • 自社の業界を理解しているシステム業者に依頼。業務の流れを把握していないと、使いやすくて効率的なシステムは作れない。
  • システム導入を事業部門ごとに段階的に進めていくと、それぞれの課題をクリアしながら進められる。
  • システム導入は従業員とのコミュニケーションを図りながら、参加意識を持たせて進めていくと良い。

企業情報

会社所在地:東京都墨田区業平1-9-7
電話:03-3623-4034
従業員:22名
創業:1965年
資本金:888万円
web:https://www.takprint.co.jp
2022年2月時点