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導入企業事例

導入企業事例

梶フエルト工業株式会社

梶フエルト工業株式会社 代表取締役 梶 朋史 営業部 中嶋 正治

フエルト製品の加工・販売を行う創業100年の老舗。
多種多様な材料や仕様に対応し、業界屈指の実績を誇る。

  • 製造、生産管理
  • 会議・情報共有
  • 21名以上~50名以下
  • 業務効率化・省人化・業務改善
  • 技術伝承・脱俗人化・人材育成
  • ミス削減・不良率低減
  • ハードウェア(機械・タブレットなど)
  • コミュニケーションの向上
  • 生産管理システム・販売管理システム(製品・部品在庫管理、原価管理等)
  • コミュニケーションツール(グループウェアなど)

生産性向上のためデータ化と
ペーパーレス化を推進。
現場の従業員に負担にならない方法として
タブレットを導入。

スマートものづくり
事例MOVIE

1現場で課題と向き合う

現場で課題と向き合う

紙の図面で現場が混乱、
受注が増えるほど
ミスのリスクも高まる。

自動車や製鉄用の資材、工場設備の消耗品、緩衝材、ピアノハンマーなど、見えないところに当社の様々なフエルト加工製品が使われています。また、材料のフエルトにも羊毛やニードル、不織布等、多くの種類があります。

私自身は現場上がりで作業工程を分かっていることに加えて、元々パソコンに興味があったので、早い時期から生産管理は自作したデータベースで行ってきました。できるだけデータ入力してペーパーレスで管理したいと考え、FAXやメールで届いた受注は、市販の販売管理ソフトに入力しデータを管理。そのおかげで、1日単位や取引先ごとの受注数や受注残、月単位の売上、機械ごとの明細などもすぐに把握することができるようになりました。

しかし、現場の従業員にパソコン操作を要求することは大きな負担となってしまうので、現場では紙の図面や作業指示書をもとに作業が進められていました。取引先は約300社、受注数は毎月4,000以上。顧客からの発注は毎回同じものもあれば、1回ごとに仕様が異なるものや数年に1回のものもあり、図面はどんどん増えていきます。部署ごとに紙で図面を共有していましたが、作業後は都度破棄していても日々の作業の中でどれが最新版か分からなくなって、古い図面で作業してしまうミスが発生していました。ペーパーレス化が実現できないもどかしさを抱えて、「何とか改善したい」と考えていました。

2スマートものづくり実践

スマートものづくり実践

現場で図面を見るタブレットが、
社内全体のIT化の糸口に。

パソコンより安価で操作が簡単なタブレット端末が一般的になった時、現場に渡す図面を紙からタブレットに切り替える計画に着手。10数年前からPC-FAXで注文を受信しているので、受注した仕事の図面をフォルダに入れ、タブレットで確認できる仕組みを確立しました。現場では、10数台ある機械ごとにタブレットを設置し、従業員はそれを見ながら作業を行っています。タブレットに入っているのは、常に最新の図面なので間違いは発生しません。また、現場の従業員はタブレットで図面データの操作ができないように設定してあるので、図面データが消えてしまう恐れもありません。出荷前の梱包仕様については製品ごとに作業伝票があり、それはまだ紙のままですが、写真や文字情報でパッと見て分かるようにタブレットを使っている場合もあります。

また、社内コミュニケーションを図るためにコミュニケーションツールも導入しています。当社は同じ敷地内に3つの工場があるのですが、内線電話より素早く効率的に情報共有でき、記録に残るので便利です。

3課題解決

課題解決

ウェブサイトのリニューアル、
技術継承など次々にIT化を推進

タブレットやコミュニケーションツールが定着し、現場での作業効率の改善およびミスの削減を実現しています。こうした状況を鑑み、安定した通信環境を維持するため、同じ敷地内にある本社および3つ工場をカバーすることができるWi-Fiに入れ替えました。

また、昨年の創業100周年のタイミングでウェブサイトをリニューアルし、常に進歩している企業であることを伝えられるように工夫しています。その結果、ウェブサイトからの新規の問い合わせは毎月10件以上あります。

現場の入出庫伝票が手書きのままなのが、目下の課題。自社製品はバーコードで管理していますが、バーコードで管理していない取引先に導入を依頼するのは難しく、さらに外注先はFAXでやり取りしているところほとんどで、メールどころかパソコンそのものがないところもあります。IT化は自社だけでなく、自社と繋がる方々も含めて考えていく必要があるので、できる限り関係先にIT化のメリットを伝えられるよう、推進していきたいと思います。

データの活用では、職人の技術継承に展開することも考えています。経験がものをいう職人の技ですが、機械で切断する速度、原料や加工後の製品を運ぶ歩数など、何でも数字に置き換えてデータ化すれば、若い人たちでも職人と同じような作業ができ、品質も維持できるので、価格の安定も図ることができます。 もはやIT無くして企業の経営はありえないと考えています。これからも、さらに自社の課題解決や業務効率化に最適なIT化を進めていきたいです。

経営者が率先して自社に合ったIT導入を進め、従業員を巻き込む

POINT
  • IT化は自社をより良くするための手段に過ぎない。自社の作業等をよく理解している人がITリーダーになると良い。
  • 現場の従業員が使いやすい方法で、活用され続ける環境づくりが大切。
  • 無料のソフトウェア・アプリケーション等もたくさんある。それらを活用して費用を最小限に抑える工夫を。

企業情報

会社所在地:東京都墨田区東向島5-41-10
電話:03-3619-0135
従業員:30名
創業:1921年
資本金:1,080万円
web:https://www.kajifelt.co.jp
2023年2月時点