東商の活動

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「先端研究機関からの招待状2 第4回」を開催しました

2019年2月27日
東京商工会議所
北支部
講演会の様子

講演会の様子

池田先生のご講演

池田先生のご講演

南先生のご講演

南先生のご講演

東京商工会議所 北支部(会長:越野充博・越野建設㈱社長)は、連続イベント「先端研究機関からの招待状」(全4回)の第4回を2月26日(火)に開催しました。

 本事業は、新たなビジネスのヒントにしていただくことを目的に、先端研究に関心をお持ちの中小企業の経営者・技術者に、最新の研究をご紹介する全4回の連続イベントです。今回はその第4回目として、2本立ての講演会を行いました。第一部では加速器をテーマに、高エネルギー加速器研究機構 研究支援戦略推進部 大学・産業連携推進室長の池田進氏を講師に迎え、「加速器のすすめ」と題してご講演をいただき、第二部では位置情報とセキュリティをテーマに、統計数理研究所 准教授の南和宏氏を講師に迎え、「位置情報の安全な利活用に向けて」と題してご講演をいただきました。

 第一部のご講演では、①高エネルギー加速器研究機構(KEK)とは何か、②加速器とはいかなる装置か、③KEKが進める産学連携についてお話をいただきました。一般の人にとってなじみが薄いKEKですが、高性能な加速器を開発するために付随する技術として、真空技術や高電圧技術、表面整形技術等、非常に幅広い分野の技術が集積している機関で、日本の基礎科学の中心を担っています。従来、基礎研究に特化していたKEKが2019年度から応用研究の分野に乗り出すことや、産学連携の推進としてオープンイノベーション推進部を設立し、大学、地域および産業界との連携を進める方針であることが紹介されました。
 第二部のご講演では、①位置情報の利活用とプライバシー保護、②位置情報の匿名化の課題、③位置情報の匿名化手法についてお話をいただきました。新しい商品・サービス開発の現場において、位置情報の活用のニーズは高く、利用しても問題のない匿名化を施したデータでの流通が望まれていますが、一方で位置情報の安全な匿名化が難しいとのことです。南先生はこの問題に取り組み、一定の安全性を担保した匿名化手法を開発された先生で、講演の中でその方法と考え方についてご紹介いただきました。プライバシー保護が重要である一方で、あまりに保護を強くしすぎると今度はデータの有用性が損なわれてしまうことから、このバランスが非常に難しいとのことでした。

 その後、講師と有志の参加者とで実施した交流会では、質疑応答や意見交換が盛んに行われました。アンケートでも「全4回のシリーズだが、毎回、最先端の話が聞けるのでとても楽しみにしている。今回も楽しく拝聴した。」等の声が聞かれ、難しい分野ながらも有意義な時間となったことが伺えました。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
北支部
TEL 03-3913-3000