としまビジネスプランアワード

としまビジネスプランアワード

ニュービジネスプラン部門グランプリ

砂越 陽介

<受賞プラン>
“地元商工人とメイカーが出入りするエリア型へ伸縮可能なものづくり工房”

事業の将来目標

 この事業の最終目標は、周囲の町工場や商店街が「開かれた」技術の場として活用され、単体ではなくエリアで多拠点型の「ものづくり工房」が完成されることである。しかし現状では「開くこと」に懐疑的で抵抗のある既存事業者がほとんどである。11-1 Studio単体でできることは限られるが、その利用される様子を地域のショールームとして商工者の前に示し、利用者と商工者の橋渡し役を担うことで、「開くこと」への理解を広げていきたい。
 そして、エリア内の多くの専門技術が開かれ、他には真似できない専門性を持ったエリア型のものづくり工房を完成させたい。

PRポイント

  • 公共空間整備に対する豊富な経験―特に大分芸文短大キャンパス整備ではプロジェクトマネージャーとして3年間、設計、監理、完成まで行政・使用者、施工者側との協議・折衝を行った。
  • ビジュアルプレゼンテーション技術と経験―学生時代含め13年の蓄積。

応募の動機・理由

 祖父はこの場所でアイロン台(その他クリーニング業務用機材)の工場を操業していた。事業承継はされずに平成7年に解散、しかしその作業場や工具の一部は残された。
 周りの池袋三丁目では残る商店街や町工場の廃業とその後のマンション化・建売化が目立つ。その度に街から感じられる人の活動の気配が消え、魅力のない街並みになっていくことに、建築家として危機感を覚えた。
 谷端川緑道と旧大明小学校を核として個人の商工業者が混在するこの地域の特性と、自宅に残る作業場、工具を活かし、この地域の社会関係資本を構築する拠点のようなものができないかと考えた。
 着目したのが「メイカーズムーブメント」である。日本では2014年頃デジタルファブリケーションのブームとして多くの3Dプリンタラボが新設されたが一過性のものとして沈静化し、失敗に終わったともされている。しかしその理念としての「開かれた技術によるものづくりの大衆化」は、現状消滅の危機にあえぐ商店街や町工場の延長上にこそそれがぴったり当てはまるのではと感じた。このプランの周知により、実現に向けより多くの共感者、協力者を掘り起こしたいと考えて、今回応募させていただいた。