
世界的なファッションの発信地である渋谷区には個性豊かなアパレルブランドが数多く存在していますが、近年アパレル業界全体の苦戦が続く中で、多くの中小・小規模事業者の経営にも様々な影響が広がっています。
こうした中、東京商工会議所渋谷支部では渋谷区の重要な産業であるアパレル産業の振興を目的に、個性的なアパレル企業のインタビューを通じて成長要因を探るとともに、今後の活躍が期待されるアパレルブランドを紹介する事業「SHIBUYA ✖ CLOTHING」を実施しました。
以下では、中小企業診断士が、成功しているアパレル企業の成長要因を調査・分析した3社の事例調査の報告書を掲載しているほか、渋谷区のアパレルブランドの魅力を発信する記事及び動画を掲載しています。
本事業が渋谷区のみならず多くのアパレルメーカーの経営改善につながるとともに、業界全体の活性化の一助となれば幸いです。
【調査事例①】宮益坂でショップとアトリエを構えて15年、“いつかどこかで見た景色”をテーマにオリジナル商品を発信し続ける「HANA TO GUITAR(花とギター)」

渋谷区・宮益坂に拠点を構え、レディースオリジナル、メンズアクセサリー、リメイクアイテムを手がけるドメスティックブランド「HANA TO GUITAR(花とギター)」。
“いつかどこかで見た景色”をテーマに据えた、ファンシーでノスタルジックなデザインが人々の心を惹きつけている。
代官山で産声をあげてから15年。ありそうでなかったニッチなニーズに応え、“服が売れない時代”に成長を続けるHANA TO GUITARの宮崎代表に話を聞いた。
<報告書の全体はこちらからご確認ください>
【当社の成功要因】
◆小さなブランドが生き残るためには、「値段は多少高くてもお客様に満足してもらえるデザイン」を作り続けることが大事。
◆流行に左右されずに複数のカテゴリーを、バランスをとりながら並行して育成。生き残っていくために、トライする価値があるものに挑み続ける。
・有名キャラクターとのコラボレーションで、お客様の幅が一気に広がった。SNSの効果も。
◆ショップ兼アトリエを渋谷に持つことで、同業者とのコミュニケーションが円滑に。また、人と人を繋げるのにも役立っている。
【調査事例②】若者や外国人が行き交う街だからこそ知ってほしい、授乳中の母親が外に出るきっかけを作る授乳服のブランド「MO-HOUSE(モーハウス)」

妊娠しても、子育て中でも、いつも自分らしい生き生きしたライフスタイルを楽しんで欲しい。そんなメッセージを掲げる有限会社モーハウスは、授乳服や授乳用インナーの制作・販売を手がけている。
自身の体験をきっかけに、代表の光畑由佳さんが自宅でつくり始めた授乳服。2005年に渋谷区・青山に実店舗をオープンしてからは、中小企業庁長官賞やグッドデザイン賞をはじめ、さまざまな賞を毎年のように獲得している。
たかが授乳、と思うかもしれない。しかし、そこには子育てを経験した者にしかわからない苦悩がある。光畑さんがママたちと目指したのは、つらいと思われがちな子育てを楽しい子育てに変える授乳服だ。
<報告書の全体はこちらからご確認ください>
【当社の成功要因】
◆経営者自身の経験から、「外でも安心して授乳できるようにしたい」というメッセージを、服を通じて発信。
◆「授乳中の母親」に焦点を当てた、授乳服と授乳用ブラジャーのセットで「粉ミルク1ヶ月分」の客単価設定。
◆青山のショップを始め、つくば市の本社やつくばの直営店でも授乳期間中の女性スタッフを積極採用。子連れ出勤の可能性を世の中に示している。
◆「働き方改革」を求める社会の動きに合わせ、「服1枚でできる働き方改革」として、会社が産休に入る社員に授乳服をプレゼントする文化を広める。
渋谷発のアパレルブランドの紹介記事&PR動画 <シブヤ散歩新聞にて掲載>

当時無名だった「ドリス・ヴァン・ノッテン」や「ルメール」、「マーク・ジェイコブス」を日本でいち早く紹介したことで知られる泉英一氏。そんな泉氏がディレクション/バイイングを手がける「デスペラード」には、流行よりもデザインの本質を重視した世界中の商品が並ぶ。
熱狂的なファンに惜しまれながら一度は閉店するも、デザイナー・アーティストとユーザーの融合を目指し、泉氏は会社から独立し、2013年3月に新生「デスペラード」を立ち上げた。
<報告書の全体はこちらからご確認ください>
【当社の成功要因】
◆作り手を大切にし、“誰が作ったかわかる商品”を選ぶ。
◆「何年経っても着たい」と思えるものを世界各国からセレクト。
◆ファッションを作り手と売る人、着る人の共同作業と考え、あえて店内にトルソーを置かない。
◆わざわざ足を運んでもらう「お客様の目的となるお店」になるように、フロンティア精神あふれる桜丘町に店を構えている。
渋谷発のアパレルブランドの紹介記事&PR動画 <シブヤ散歩新聞にて掲載>
No.1 洗練されているのに洗える!トップス 働く女性の願いを叶えたキャリア服「neaten」
No.2 元SEの女性がつくった、理想のブラジャー「BELLE MACARON」
No.3 フィリピン出身のデザイナーがつくる個性的な靴「Jman」
No.4 10人のうち1人が好きになってくれればいい 個性的ブランドで渋谷から海外へ!「titier」
No.5 メイドインジャパンを守りたい 着る人、作る人がアパレルをもっと好きになる縫製ラボ「INDICE」「beau temps」
No.6 コンセプトは、「友達に着てほしい服」。古民家を改装したお店で、自分らしい雰囲気を展開する「タテイスカンナ」
No.7 自分たちにしかできないものを作る グローバルブランドへの挑戦「CINOH」



上記7社のインタビューを編集し、渋谷のアパレル産業の魅力を発信するプロモーションムービーを制作しましたので、ご覧ください。
- 【本事業に関するお問い合わせ】
- 東京商工会議所渋谷支部 TEL.03-3406-8141