区の特色
港区の由来・地勢・大規模再開発・事業所数・従業者数・主な業種
港区の由来・地勢
昭和22年3月15日、旧赤坂区、旧麻布区、旧芝区の3区が合併され、今の「港区」が誕生した。「港区」の区名は、「今後の我が国の発展は貿易の振興にあるが、その素材とも言える『東京港』を抱合している」ことに由来する。
港区は、東京都のほぼ東南部に位置し、東は東京港に面し、その北端で僅かに中央区に接し、北は千代田区と新宿区に、西は渋谷区、南は品川区、東は江東区にそれぞれ隣接している。港区の総面積は20.34平方キロメートル(平成22年10月1日現在)で、23区の総面積の約3.27パーセントにあたり、23区中12番目の広さ。また、最も大きな大田区の3分の1強、最も小さな台東区の約2倍。
大規模再開発
大型の都市再開発事業による高層ビルの建設は、近年では2003年3月竣工の「六本木ヒルズ森タワー(六本木六丁目)」にはじまり、2007年3月竣工の「東京ミッドタウン(赤坂九丁目)」、そして2008年3月にグランドオープンした「赤坂サカス(赤坂五丁目)」と続いている。現在も代表的な事業として、通称「マッカーサー道路事業」(正式名称:環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業)があり、新橋4丁目の第一京浜から外堀通りへと続く幅40m、全長約1.35kmの道路が、2013年開通を目指し建設中である。今後もその勢いは止まることがないと予想される。また、住居用高層マンション建設も「芝浦アイランド」を中心に依然活発で、人口増、世帯数増に拍車を掛けている。
事業所数・従業者数・主な業種
平成21年経済センサスによると、港区は、事業所数(42,664件)、従業者数(1,028,331人)ともに、23区中第1位となっている。
産業大分類別に事業所数の構成比をみると、「卸売業、小売業」が19.9%と最も高く、次いで「宿泊業、飲食サービス業」が16.5%、「学術研究、専門・技術サービス業」が13.7%と続いており、これら上位3つの産業で構成比の50.1%を占めている。また、これらに次いで、「サービス業(他に分類されないもの)」が9.8%、「情報通信業」が9.1%、「不動産業、物品賃貸業」が8.0%となっている。東京都の構成比と比べると、弁護士事務所、公認会計士事務所、税理士事務所、広告業、建築設計業などの「学術研究、専門・技術サービス業」や「情報通信業」の港区の構成比は、東京都の倍以上となっている。
港区の観光資源・今後の課題・業種特性からみた最近の景況
主なエリア特性と観光資源
多くの企業が日本国内における本社機能を構える区の一つであり、いわば日本のビジネスの中心である。特に虎ノ門・新橋・芝をはじめとしたビジネス街では、経済活動が非常に活発である。そのほか区内には、青山・赤坂などの商業エリアや、六本木などの歓楽街、麻布・白金台などの高級住宅街、汐留・台場などの大規模開発地区があり、さまざまな表情をもっている。また、都心にあるにもかかわらず、東宮御所・迎賓館(赤坂離宮)をはじめとして芝公園・白金台の自然教育園など緑地帯が豊富であり、自然環境にも恵まれている。
港区観光のシンボルである東京タワーをはじめ、泉岳寺・増上寺、旧芝離宮庭園、都庭園美術館、お台場海浜公園、レインボーブリッジなど多様な観光資源が豊富にある。また、港区内には79カ国(地域)の大使館があり、国際色豊かな地域となっている。
地域振興の面からの港区の今後の課題
浜松町には、羽田空港に通じるモノレール駅があり、羽田空港国際化を契機に、区内への空港関連産業や外国人観光客の誘致が課題となっている。また、平成23年のNHK大河ドラマのヒロイン、お江(江戸幕府第2代将軍徳川秀忠の正室)の墓が増上寺にあることから、お江や徳川家ゆかりの地をPRし、区内への集客を図ることも課題となっている。
業種特性からみた最近の景況
平成23年度の港区経済は、リーマンショックから立ち直る間もなく、平成23年3月に発生した東日本大震災の直接的間接的な影響を受けた。大震災発生から1年が経過しても、大震災発生前の水準に戻ったとは未だ言い難い状況にある。加えて、欧州債務問題の顕在化による世界経済の減速や為替相場の変動は経済状況の先行きを不透明なものにしている。港区はその業種特性から景気の影響を過度に受けやすく(景気が悪くなるとまっ先に削減する広告費、交際費に関係する業種の企業が多い)、他地区と比べ、経済状況は更に厳しいものとなっている。ただ、昨今、厳しさも和らいできている感がある。
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