東商の活動

工業部会講演会「Industry4.0~ドイツ発 第4次産業革命とわが国ものづくりへの影響~」を開催しました
東京商工会議所
中小企業部
東京商工会議所工業部会(部会長=平井克彦 東商特別顧問、東レ相談役)は、10月2日に講演会を開催しました。工業部会所属議員、会員を中心に125名が参加しました。
講演会では、(国研)科学技術振興機構 研究開発戦略センター 特任フェロー 永野 博氏を招き、「Industry4.0~ドイツ発 第4次産業革命とわが国ものづくりへの影響~」と題した講演をいただきました。
講演では主に「Industry4.0」の概要、課題、わが国ものづくりへの影響等について解説されました。ドイツ企業の事例をもとに、中小・中堅企業の生産現場における「エネルギー削減」、「遠隔管理」、「柔軟なサプライヤーの交代」、「サプライチェーン全体の一貫システム」、「個別生産支援」などを紹介し、大企業だけでなく中小企業までもこうしたシステムを導入することは「技術の革命」ではなく「社会システムの転換」だとしました。また、メーカーや技術の異なる機器同士を組み合わせる際には規格の標準化が成功の鍵だと述べました。
わが国ものづくりへの影響については、受注生産を低価格・短納期で納入するドイツメーカーの国際競争力が向上する点、ドイツ仕様の通信プロトコルをもたない生産機械はドイツ市場に参入できなくなる点、国際的なデファクト標準として機能しはじめると否応なく当該システムに組み込まれる点などを挙げました。
また、「Industry4.0」は突然出てきたものではなく、産業クラスターに対する政策のひとつとして10年以上前から研究されたものであり、国が省庁横断的に戦略を立案し、産業界と自治体が協同し、地道に続けていることが力につながっていると解説しました。
参加者からは「今後の世の中の流れを考えるうえで大変参考になった」、「Indusyry4.0の本質の理解につながった」、「ドイツの中小企業のパワーを感じた」等の感想が寄せられました。
今後も工業部会では皆様のビジネスに役立つ情報提供をしていきます。
東京商工会議所
中小企業部
担当 石村・大矢・西林