ニュースリリース
企業向け新型コロナウイルス対策情報 第59回 第6波に向けて準備すること
東京商工会議所
東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。
本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作成し、和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。
健康経営倶楽部マガジン臨時号 2021/12/06
東京商工会議所 ビジネス交流部
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企業向け新型コロナウイルス対策情報
第59回 第6波に向けて準備すること
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※健康経営倶楽部マガジンの臨時号として、新型コロナウイルスの感染拡大防
止に向けて、企業での取り組みに活用できる情報を、ご登録の皆様に不定期に
配信しています。
【下記コンテンツについて】
産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成の上、国際
医療福祉大学・公衆衛生学教授 和田耕治先生(元 厚生労働省新型コロナウ
イルス対策本部クラスター対策班)のサポートも受けています。
企業の経営者・担当者のみなさま、冬季に新型コロナウイルス流行の再拡大
(第6波)が起こることが懸念されておりますが、備えは万全でしょうか。
1.課題の背景:
夏季に起こった新型コロナウイルス流行の拡大(第5波)は過去最大の規模
となり、身近で感染者や濃厚接触者が発生するという経験をした方も少なくな
かったのではと思われます。今、また、冬季に流行の再拡大(第6波)が起こ
ることが懸念されており、中小企業においても備えをしておくことが重要
といえます。
とはいうものの、第5波の時期とは異なる点(例:新型コロナワクチンの職域へ
の普及)もあり、留意が必要となります。また、第5波の時期に各企業で問題
となった点(例:まん延期における企業内濃厚接触者調査)もあり、これらへ
の反省を踏まえて対策の強化を図ることも重要です。本稿では、このような留意
点をふまえて第6波に向けて備えたいポイント5点につき解説します。なお、それ
ぞれの詳細な内容については、文中に示した過去の配信記事をご参照ください。
2.企業でできる対策:
〇 職場における抗原検査の留意点を確認しておく
○ インフルエンザワクチン接種を推奨する
〇 まん延期における濃厚接触者対応を確認しておく
〇 寮で感染者が出た場合の対応を確認しておく
〇 ワクチン未接種従業員の扱いを検討しておく
2-1.職場における抗原検査の留意点を確認しておく
※詳細は関連情報リンクの(1)参照
従業員が発熱、せき、のどの痛みなどの体調不良を認めた場合には、速やか
に医療機関を受診することが求められます。また、その従業員が検査で陽性
であった場合には、濃厚接触者を速やかに特定し在宅勤務等とすることに
加え、PCR検査等を迅速に実施することが求められています。
しかしながら、まん延期に保健所機能が限界を超えると、すべての感染者や
その濃厚接触者に対して充分な関与が難しくなり、検査等の実施も含めて
企業において担う役割がますます大きくなることが想定されます。このよ
うな状況下で、速やかに感染者を特定して対応することを目的に、抗原検査
を事業所内で実施するかどうかを検討している企業もあることかと思います。
実施に当たっては下記に示すようないくつかの留意点もありますので、それ
らを踏まえた上で今のうちにしっかりとした準備を行っておきましょう。
□ 診断用の抗原検査キットを準備する
□ 必要な研修を受けた検査実施管理者を選任する
□ 連携医療機関を確保する
□ 無症状者で感度が低いことを理解しておく
2-2.インフルエンザワクチン接種を推奨する
※詳細は関連情報リンクの(2)参照
新型コロナウイルスとインフルエンザは症状で区別することが困難であり、
発熱などの症状が出れば、コロナウイルスと同様に10日程度の自宅隔離が
必要になるケースもあります。職場での接種推奨が望まれますが、例年
通りの実施が難しそうな場合には、個別の感染リスク(表参照)に応じ
て検討するのも一つの方法です。
表)1インフルエンザ予防接種が特に推奨される対象
2-3. まん延期における濃厚接触者対応を確認しておく
※詳細は関連情報リンクの(3)参照
まん延期には保健所が濃厚接触者調査の対象を重点化し、一般企業等
での濃厚接触者調査を行わなくなくなる可能性があります。それまで
保健所が担っていた機能をある程度企業が担う必要が出てきますので、
濃厚接触者対応をどのように進めるか事前に確認しておくことが重要
です。以下、対応の概要を述べます。
1)従業員の感染が確定した場合、まずは下記内容を当人から聞き取りましょう。
<感染者した従業員から最低限聞き取る内容>
□ 発症日
□ 最終出勤日
□ 発症の2日前までに飲食、会話、会議をした人
※目安:1m以内で15分以上、マスクの着用は問わない
まずは広くリストアップして、あとは接触した時間などを考えて絞って
いくことが大事です。
明らかに発症前日や発症後に会議をしていたり、食事をしていたとなれば
「要管理者」になるでしょう。その他に、たとえば、打ち合わせをした、
マスクをしていた、車に同乗したなど様々な場面がありますが、個別に
判断が必要になります。例えば8時間一緒にいた人と15分いた人は違いますし、
そこでマスクを外して飲食していたかでも違います。
総合的な接触の程度から優先度を決めて、「要管理者(※)」を決めます。
※濃厚接触が疑われる該当者については、企業内では「要管理者」くらい
の呼び方とし、保健所が指定する「濃厚接触者」とは区別します。
2)「要管理者」と特定した従業員については、濃厚接触者が行政検査で
陰性だった
場合に準じて、感染者との最後の接触から14日間、健康観察と自宅で過ご
すことを求めます。
この間に症状があれば速やかに会社に報告するとともに、医療機関に電話
連絡の上で受診するよう促します。
2-4.寮で感染者が出た場合の対応を確認しておく
外国人実習生を受け入れている中小企業など、複数の従業員が同じ部屋に
同居しているケースも少なくないことかと思われます。寮で感染者が出た
場合、感染者・濃厚接触者が発生した際には個室に移ってもらうことが
重要ですが、十分なスペースがないために濃厚接触者同士を同じ部屋で
隔離せざるを得ない事態も生じるかもしれません。濃厚接触者から新た
に感染者が発生してしまうと、同居の濃厚接触者はその時点からまた新
たに隔離期間のカウントを開始することになり、いつまでたっても職場
復帰ができないという状況を招いてしまう懸念があります。このような
場面を想定し、寮において十分な居住スペースを確保しておくことを準
備しておきましょう。
2-5. ワクチン未接種従業員の扱いを検討しておく
※詳細は関連情報リンクの(4)参照
新型コロナワクチンの2回接種完了者は約76%となっています(2021/11/26時点)。
職場の感染防止対策としても、社員のワクチン接種率を上げることは
重要と言えます。
また、ワクチン接種歴に基づく行動緩和(ワクチン・検査パッケージ)
に向け、接種歴の把握が求められる場面も想定されます。一方で、ワクチン
を接種しない人への不利益取り扱い、接種の強要も問題となっています。
このような状況を避けるためにも、ワクチン接種歴情報の取り扱いについて
社内ルールを定めておくこと、およびワクチン未接種者の取り扱いについて
検討しておくことが大事です。
1)社員のワクチン接種歴情報を取得する際は、情報取得のためのルールを作成する。
□ 利用目的、誰が情報を取り扱うかなどを事前に定める。
□ ワクチン接種歴情報は利用目的等を分かりやすく伝えた上で、社員から
の自主的な申告を促す形で取得する(申告を強制しない)。
□ ワクチン接種歴情報は取得時に事前に示した以外の目的で利用しない。
2)ワクチン未接種者への不利益取り扱いをしない
□ 新型コロナワクチンの接種を拒否したことのみを利用とした解雇、雇止めをしない。
□ 接種歴を基に、配置転換を行う場合、目的、業務上の必要性、配置転換以外の方法
での代替可能性について十分検討し、当該者へ説明の上行う。
参考情報
【文責】今井 鉄平(OHサポート株式会社)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。
OHサポート株式会社(代表/産業医 今井 鉄平)では、経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者に拡散をお願いします。
また、動画配信も行っております。参考情報リンク参照。
※本情報配信に関するご意見・ご要望は、こちらまでお寄せください。
covid-19@ohsupports.com
※これまでに配信しましたバックナンバーは、参考情報リンク参照。
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