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企業向け新型コロナウイルス対策情報 第14回 訪問介護における感染対策(感染が疑われる利用者への対応)

2020年5月18日
東京商工会議所

東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に
活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け
新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。

本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作
成し、厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先
生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けたものです。
詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。

経営者・総務人事担当者のみなさま、訪問介護を行う従業員の感染対策は万全
でしょうか?感染が疑われる利用者への対応などは、従業員の不安も大きいと
思われますが、きちんと感染対策を取ることでリスクは低減できます。


1.課題の背景

訪問介護サービスを提供する事業者は、たとえ利用者に発熱等の新型コロナウ
イルスを疑わせる症状がある場合であっても、十分に感染拡大防止策を講じつ
つ、安定的かつ継続的に必要なサービスを提供することが社会的に求められて
います。
訪問介護を行う従業員が、感染者や濃厚接触者となってしまった場合、長期間
にわたり職場離脱が予想されます。また、感染者となった従業員が他の利用者
や同僚の従業員に二次感染させることで、当該事業所内に新たなクラスターを
発生させることにもつながりかねません。
従業員に下記の対策を実施させるとともに、管理者も人員確保含めたサービス
提供体制、連絡体制の整備など改めて感染対策を見直し、徹底しましょう。


2.事業所でできる対策

○訪問前に利用者の体調確認をし、症状を認める場合は訪問介護の必要性を再
 検討する

○重症化のリスクがある従業員に、感染疑いのある利用者の訪問介護をさせない

○サービス提供時には感染防止策を徹底する

以下にポイントと補足点を記載します。

 1)訪問前に利用者の体調確認をし、症状を認める場合は訪問介護の必要性
   を再検討する

   訪問前に利用者の体調確認をし、発熱等の症状を認める場合には関係各
   所に連絡の上、訪問介護の必要性をよく検討します。

   □利用者に毎日の検温を求め、訪問前に電話で体温や風邪症状の有無を
    確認する

   □症状を認める場合は、家族・主治医・担当ケアマネージャーに報告する

   □さらに、保健所等に設置されている帰国者・接触者相談センターに電
    話連絡し、指示を受ける

   □担当ケアマネージャー・保健所とよく相談の上、訪問介護の必要性を
    検討する

 2)重症化のリスクがある従業員に、感染疑いのある利用者の訪問介護をさ
   せない

   1)で訪問の必要性が認められ、サービスを提供することになった場合、
   万一感染した場合のことを考え、重症化のリスクがある従業員に担当さ
   せるのは控えましょう。

   □サービスを提供する場合は、支援内容・支援時間を絞るように調整する

   □妊婦、糖尿病・心疾患・腎疾患等の持病があるもの以外から担当者を
    選定する
  
   □担当者は固定とし、当面は同担当者が他の利用者へのケアを行うこと
    は控える

 3)サービス提供時には感染防止策を徹底する
   サービス提供時には換気の徹底に加え、利用者に接する際には手袋・マ
   スク・ガウン・ゴーグル等の個人保護具を適切に使用し感染防止を行う
   ことが必要です。また、サービス終了後には必ず手洗いを行います。

   □担当者は事前にマスク・ガウン・手袋等の着脱訓練を行っておく

   □訪問時には2方向の窓を開放し、換気を徹底する

   □利用者と接するときは、使い捨て手袋・不織布性マスク・使い捨てガ
    ウン・ゴーグル等を着用する
    (保護具がない場合は代用品を使用する:関連情報リンク4参照)

   □食事の介助の際、食事前に利用者の手指消毒を行う

   □利用した食器は自動食器洗浄機、または洗剤での洗浄を行う

   □入浴の介助が必要な場合、原則清拭で対応する

   □清拭で使用したタオル等は、手袋・マスク着用のまま、一般的な家庭
    用洗剤で洗濯し、完全に乾燥させる

   □使用したマスクや手袋は表面に触れないように注意して外す
    (関連情報リンク7参照)

   □外したゴーグルや廃棄物はすぐにビニール袋に入れて密閉、廃棄物は
    家庭ごみとして利用者宅で廃棄してもらう

   □サービス終了後に手洗いを行う(アルコール消毒でも可)

   □手指消毒の前に顔を触らないようにする

   □使用したゴーグルは、改めて手袋を着用の上で、アルコールまたは
    0.05%の次亜塩素酸を浸透させたペーパータオル等で外側を拭きとる
    (関連情報リンク5参照)


<関連情報リンク>

1)高齢者介護施設における感染対策 第1版
  ※本ページ下部リンク(1)参照

2)高齢者福祉施設の方のためのQ&A  
  ※本ページ下部リンク(2)参照

3)訪問系サービスにおける新型コロナウイルス感染症への対応について
  ※本ページ下部リンク(3)参照

4)医療用個人防護具の代替品性能評価と作り方
  ※本ページ下部リンク(4)参照

5)サージカルマスク、長袖ガウン、ゴーグル及びフェイスシールドの例外的取扱いについて
  ※本ページ下部リンク(5)参照

6)訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策!
  (2)(利用者とあなたの間でウイルスのやりとりをしないために)
  ※本ページ下部リンク(6)参照

7)日本環境感染学会 高齢者介護施設における感染対策(第1版)
  感染管理ベストプラクティス 個人防護用具の外し方
  ※本ページ下部リンク(7)参照

【文責】今井 鉄平(OHサポート株式会社 代表・産業医)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成
 しました。
 厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生
(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

OHサポート株式会社(代表/産業医 今井 鉄平)では、経営者・総務担当者向
けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。本情報は著作権フリー
ですので、ぜひお知り合いの経営者に拡散をお願いします。

また、動画配信も行っております。上部のリンク(8)参照。

※本情報配信に関するご意見・ご要望は、こちらまでお寄せください。
 covid-19@ohsupports.com

※これまでに配信しましたバックナンバーは、上部のリンク(9)参照。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
ビジネス交流部 会員交流センター
TEL 03-3283-7670
FAX 03-3211-8278