ニュースリリース
健康経営倶楽部マガジン ≪2020.5.5 vol.45 ~コラムで学ぶ健康づくり~≫
東京商工会議所
会員交流センター
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健康経営倶楽部マガジン ≪2020.5.5 vol.45 ~コラムで学ぶ健康づくり~≫
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〇【特設ページのご案内】
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けている企業の皆様へ
感染拡大によって影響を受けている企業の皆様への支援事業をまとめた、特設
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≪コラムで学ぶ健康づくり 目次≫◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆
健康経営の取り組みの一環として、社員の健康リテラシー向上に活用できるよ
う、職場の中でも簡単に取り組める健康づくりに関する知識等を提供するコラ
ムを掲載しております。
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1.ナッジで従業員の健康活動をそっと後押し
~行動デザインで健康経営を次のステップへ~
「ナッジを活用する際のコツと注意点」
(第5回/全6回)
株式会社NTTデータ経営研究所 西口 周
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2.きょうも健やか!
「うつ病は体の病気でもあります」
(第2回/全12回)
株式会社NHK出版
※このコラムは、健康リテラシー向上に向けた情報提供を目的として、
社員の皆さまへ「メール」または「文書回覧」の形式で転送できます。
イントラ掲載、印刷等による社外への配布、営利目的での利用、内容
の改変・抜粋、著者・監修者のプロフィールをはずしての転送はでき
ません。転送可能な期間は本メルマガ配信後1年間です。
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1.ナッジで従業員の健康活動をそっと後押し
~行動デザインで健康経営を次のステップへ~
「ナッジを活用する際のコツと注意点」
(第5回/全6回)
株式会社NTTデータ経営研究所 西口 周
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前回までに、健康経営にナッジを応用する方法をご紹介しましたが、今回はナ
ッジを活用するためのポイントや注意点をご紹介します。
ナッジを活用する際の注意点として、「本人によってより良い選択を」という
ナッジの目的が見失われ、結果的に悪いナッジとなりかねない事例がしばしば
あります。
誘導者の利益を優先して誘導したい選択肢以外を極端に選びづらくするナッジ
や、誤解を利用して誘導する等の倫理的に問題があるナッジを「スラッジ(=
ヘドロ)」と世界的に呼ばれています。
特に、民間企業がビジネス目的にナッジを活用する際には、購買者の利益より
も企業の利益を優先する傾向があることから、本人が望まぬ行動を促すスラッ
ジとならないような注意が必要とされています。
例:お試しセットの購入かと思ったら、知らぬ間に定期購買に移行していて、
月額料金を支払わされた。規約内に、気づかないくらい小さな文字で定期購買
自動移行の旨の記載があった(デフォルト設定のスラッジ例)等。
したがって、闇雲にアイデアを並べるのではなく、以下に示す「ナッジ活用の
3原則」を意識しながら、施策へのナッジ活用を検討するようにしましょう。
(1)誘導する行動は、対象者の利益・健康・幸福を増進するものでなければいけない
(2)透明性を確保しなければならない/ミスリードさせてはならない
(3)離脱は容易でなければならない
【Richard H. Thalerによる、ナッジの活用者が守るべき3原則 筆者作成】
https://www.tokyo-cci.or.jp/image/kenkokeieiclub_mailmagazine_ntt_05_01.png
また、ナッジは「一つの手段であって、ナッジ活用自体が目的ではない」とい
う視点を忘れないことが重要です。
国際的には、「ナッジ単独で必ずしも効果が出るとは限らない」「ナッジは効
果が持続しにくい」等のナッジの課題もあげられています。
つまり、ナッジを活用することにこだわるのではなく、「従業員の健康行動を
促進する、継続させる」という目的を達成するために、環境へのアプローチや
ポイント制度等の様々な方法を選択することが重要になります。
ナッジを活用した本人へのアプローチよりも、家族や同僚等を巻き込んだ取り
組み開始・継続のサポート体制を構築したり、社長やかかりつけ医から受診を
勧奨する等、環境面からのアプローチが効果的な場合もあります。
もしくは、ナッジと組み合せた両面からアプローチするほうが効果的な場合も
ありますので、目的を達成するために「施策を試しに実践」→「効果を検証」
→「施策の改善」を何度も繰り返しながらブラッシュアップすることを心掛け
ましょう。
【行動促進のためのナッジを含む構造的なアプローチのイメージ図 筆者作成】
https://www.tokyo-cci.or.jp/image/kenkokeieiclub_mailmagazine_ntt_05_02.png
いかがでしたでしょうか。ナッジを活用する際には、「健康な自分に近づくこ
とができる」等の本人にとって望ましい行動に結びつくかどうかを常に意識す
ることが重要です。
次回(最終回)は、これまでの内容を踏まえた「これからの時代の健康経営」
について、総括したいと思います。
株式会社NTTデータ経営研究所 ライフ・バリュー・クリエイションユニット
西口 周 博士(人間健康科学)、理学療法士
https://www.nttdata-strategy.com/
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2.きょうも健やか!
「うつ病は体の病気でもあります」
(第2回/全12回)
株式会社NHK出版
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「精神疾患」は「心の病気」と言われることがありますが、「体の病気」でも
あります。うつ病でも、心の変調だけでなく、食欲や睡眠の障害など体の変調
も同時に起こります。また、体の病気がきっかけでうつ病を発症することもあ
ります。
【うつ病と関係の深い病気】
ここではうつ病と関係が深い代表的な体の病気を5つ取り上げます。
1つ目は、「心筋梗塞」です。うつ病は心筋梗塞の危険因子ですし、うつ病の
人は心筋梗塞で亡くなる確率が高くなると報告されています。また、心筋梗塞
という命に関わる病気を発症したことで、気持ちが落ち込んだり不安を感じた
りしやすくなります。その結果、気持ちがふさいで日常生活がうまく送れなく
なり、医師がすすめる治療法を守れず治療が進まなくなります。
2つ目は、生活習慣が原因で発症する「2型糖尿病」です。2型糖尿病の患者
さんのうち80~90%の人に、糖尿病発症前にうつ症状があったという報告があ
ります。糖尿病を発症したことに対する落ち込みや不安のほか、直接的な脳へ
の影響も関係していると考えられています。また、うつ病だと血糖コントロー
ルがうまくいかず、合併症が起こりやすくなります。
3つ目は「がん」です。がん患者さんの20~25%がうつ病を併せもつとされ、
特に末期ではその割合が高くなります。睡眠障害や興味の喪失、不安、イライ
ラ、集中力の低下などを、がんによるストレスだからやむをえないと考え、適
切なうつ病の治療が開始されず、対処が遅れることも少なくありません。
4つ目は「脳血管疾患」です。脳出血や脳梗塞による脳の損傷がうつ状態を招
くこともありますし、麻痺(まひ)などの後遺症をきっかけにうつ病を発症す
ることもあります。その結果、日常生活に支障を来したり、生きる気力を失っ
てしまったりすることがあります。
5つ目の「認知症」もうつ病との関係が深い病気です。気力や記憶力が低下し
ている高齢者の場合、認知症によるものかうつ病によるものかを判断すること
が治療上大切ですが、この2つが同時に存在していることも多いので注意が必
要です。
【心身両面に対する治療が必要】
このように、体の病気にかかっている人は、精神的な不調、特にうつ病を発症
していることが多いので注意する必要があります。
気分が沈み込んでつらくなっていたり、何にも興味がもてずに楽しめない状態
が続いたりしているときには、まず主治医に相談するようにしてください。
※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております
[執筆]
大野 裕 おおの・ゆたか
ストレスマネジメントネットワーク代表・一般社団法人認知行動療法研修開発
センター理事長
1978年慶應義塾大学医学部卒業。ペンシルベニア大学医学部などへの留学のの
ち、慶應義塾大学教授を経て現職。専門は精神医学。日本における認知行動療
法の第一人者。
上記コラムの無断転載を禁じます。
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