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企業向け新型コロナウイルス対策情報 第10回 窓の開かないビルにおける換気改善

2020年5月1日
東京商工会議所

東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。

※本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作成し、厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けたものです。詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。

経営者・総務人事担当者のみなさま、室内の換気は万全でしょうか?
窓の開放が禁止されているビルなどでは、下記を参考にしながらぜひ室内の換気改善に取り組みましょう。


1.課題の背景

新型コロナウイルス感染拡大のリスクを高める環境である「3密」の1つとして、「換気の悪い密閉空間」が挙げられます。換気の悪い密閉空間にしないよう、換気設備の適切な運転・点検を通じて定期的な換気を行う必要があります。
オフィスで集団感染が生じてしまうと、事業継続にも大きな支障を来します。


2.企業でできる対策

厚生労働省が公開している「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」を参考に下記が挙げられます。

○室内の二酸化炭素濃度など、オフィスの換気設備の状況を確認する

○換気量が足りない場合には、在室人数を減らす

1)換気状況の確認

 オフィスの換気設備は、通常は省エネルギーを考慮して外気導入量を絞っているケースが多く、運用を見直すだけでも効果を高められます。室内の二酸化炭素濃度が1,000ppm以下であれば、必要換気量(一人あたり毎時30立方メートル)を確保できるとみなすことができ、「換気が悪い密閉空間」には該当しないと言えるでしょう。
 まずは、室内の二酸化炭素濃度の測定結果をビル管理会社に確認し、1,000ppmを超えている場合は換気設備の運用見直しを相談しましょう。
 日本産業衛生学会の産業衛生技術部会から換気シミュレーターが公開されています。以下の例のように手軽に換気状態を見積もることができますのでお試しください。(本ページ下部<関連情報リンク>8)参照)

 【見積結果(例)】
  本ページ下部<関連情報リンク>9参照

 換気状態が良くない場合には、在室人数を減らすことで必要換気量を確保することも可能です。なお、適正な在室人数の目安も前述の換気シミュレーターにより算出できます。

2)換気設備のないスペースについて

 喫煙室や喫食スペース、更衣室のような共用スペースは「3密」になりやすく、更衣室が集団感染の原因となった可能性のある事例も報告されています。以下の対策を実施してみましょう。

 ・必要以上に人が集まらないようにする(滞在時間を減らす、利用時間を分ける)
 ・会話を最小限にする
 ・取っ手やドアなど、複数の人が触れる所は定期的に消毒(拭き掃除)する

3)留意事項

 換気の悪い密閉空間はリスク要因の一つにすぎず、換気をするだけで感染リスクを充分に低減できるというものではありません。「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」を参考に、その他の対策と組み合わせて実施することが重要です。


<関連情報リンク>
本ページ下部のリンク(1)~(9)

【文責】五十嵐 侑(東北大学大学院 医学系研究科 産業医学分野 大学院生)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
 厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

OHサポート株式会社では、経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。
本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者・総務担当者の方に拡散をお願いします。

また、動画配信も順次行っております。
※上部のリンク(10)をご覧ください。

※これまでに配信しましたバックナンバーは、下記のリンクをご覧ください。
 http://www.oh-supports.com/corona.html
※本内容に関するご意見・ご要望は、下記までお寄せください。
 covid-19@ohsupports.com

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
ビジネス交流部 会員交流センター
TEL 03-3283-7670
FAX 03-3211-8278