ニュースリリース
企業向け新型コロナウイルス対策情報 第9回 医療機関への配送業務における感染対策
東京商工会議所
東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。
※本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作成し、厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けたものです。詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。
経営者・総務人事担当者のみなさま、医療機関への配送作業を行う従業員の感染対策は万全でしょうか? 感染リスクの高い医療機関への配送業務は、従業員の不安も大きいと思われますが、きちんと感染対策を取ることでリスクは低減できます。
1.課題の背景
緊急事態宣言下においても、医療用医薬品を医療機関に供給する医薬品卸売業等の事業者は、十分に感染拡大防止策を講じつつ、安定的かつ継続的にこれらを供給することが社会的に求められています。
配送業務を行う従業員が、感染者や濃厚接触者となってしまった場合、長期間にわたり職場離脱が予想されます。また、感染者となった従業員が配送先の医療従事者に二次感染させることで、当該医療機関内に新たなクラスターを発生させることにもつながりかねません。
作業者に下記の対策を実施させるとともに、管理者も人員確保含めた作業体制、連絡体制の整備など改めて感染対策を見直し、徹底しましょう。
2.企業でできる対策
新型コロナウイルスの感染様式はインフルエンザと同じく、飛沫感染、接触感染です。「物流業における新型インフルエンザ対策ガイドライン(緊急対策マニュアル)」等が準用可能です。
○物流業における新型インフルエンザ対策ガイドラインおよび副読本のチェックリスト
以下を活用し、感染対策を見直す
・職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト
・医薬品卸売業における事業継続のための新型インフルエンザ対策ガイドライン
以下にポイントと補足点を記載します。
1)従業員の健康管理
感染拡大防止のため、体調不良時は仕事をしないよう徹底する
□発熱や風邪症状があるときは、軽症でも業務を行わないことを徹底する
□点呼時及び定時連絡時に、日々の検温、風邪症状の有無を確認する
□長時間労働を避け、睡眠・休息時間を十分確保する
□従業員に感染リスクの高い行動(例:客席の狭い飲食店での会食やカラオケ、興行施設の利用、大規模集会への参加)をとらないように自覚を促す
2)点呼時
新型コロナウイルスは、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあります。また、無症候の者からの感染の可能性も指摘されています
□対面でのやりとりはできるだけ短く、可能な限り2mの距離を取って行う
□アルコールチェッカーは携行型など1人1人専用の物を用いることが望ましい。据え置き型を共用する場合は、マウスピースは毎回交換し、本体を次亜塩素酸ナトリウムで消毒する(アルコール消毒を用いるとチェッカーが反応してしまうため)
3)受け渡し時の対策
医療機関での感染拡大防止のために、医療機関側と配送従業員側の双方の感染リスクをなるべく低減させることが大事です。そのためにも、従業員が医療機関に立ち入る時間や場所を制限する、手指衛生を徹底る、対人距離を取るなどの対策が必要です。
□医療機関への入門前と後に、手洗いを行う(アルコール消毒可)
□周囲に広げない対策として、対面時にはマスク(ガーゼ、布マスク可)を着用する
□医薬品の納品について、相手先と事前相談し、納品の回数や時間、場所などを制限しておこなう
□感染症指定医療機関や感染拡大があるような医療機関では、なるべく入り口や事務室等(事務スタッフ中心の場所)で納品をおこなう(※)
□一般的な病院(内科、耳鼻科、歯科の各クリニック含む)でも、病棟など患者がいる場所にはなるべく立ち入らない(※)
□医薬品の受け渡し方法についても、相手先と事前相談し、対面でのやりとりはできるだけ短く、可能な限り2mの距離を取っておこなう
※場所別の感染リスクの考え方:
リスク高:病棟(フロア)、これに準じる場所【患者がいる場所】
リスク中:診察室、これに準じる場所【医師、看護師が中心の場所】
リスク低:事務室、これに準じる場所【事務スタッフ中心の場所】
4)休憩時の対策:飲食店などでの感染リスクを避ける
□可能な限り飲食店ではなく、車内で食事を摂る
□飲食店で食事を摂る場合は、他人との距離を取る
(混んでいる店は避ける)
5)共用を避けることと共用器具の消毒
接触感染を防ぐため不特定多数が触るところの消毒を行い、接触感染を防ぐ
□できるかぎり1車1人制とする
□始業前、終業時にハンドル、チェンジレバー、ドアノブ、端末のボタンなど手で触れる頻度の多いところをアルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる拭き取り消毒を行う
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【文責】今井 鉄平(OHサポート株式会社 代表・産業医)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。
OHサポート株式会社では、経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。
本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者・総務担当者の方に拡散をお願いします。
また、動画配信も順次行っております。
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