「中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた意見」について
東京商工会議所
中小企業部
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催した第697回常議員会において、事業承継対策委員会(委員長:加藤雄一・アドバネクス会長)が取りまとめた標記意見を、別紙の通り決議いたしました。本提言は、下記の「中小企業の事業承継に係る現状」に基づき、具体的な施策・支援策を取りまとめたものです。今後、提言内容が国・東京都の事業承継支援に反映されるよう、関係各所に対し、強く働きかけていきます。基本的な考え方および主な提言事項は以下の通りです。
中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた意見
【中小企業の事業承継に係る現状】
・中小企業経営者の高齢化の進展→20年間で経営者年齢の山は47歳から66歳へ移動
・中小企業の廃業の増加は、地域経済全体の課題→直近5年間で全国で40万、東京で4万事業者が減少
・中小企業の価値ある事業が失われている→廃業企業の5割超が黒字企業
【基本的な考え方】
地域経済の中核を担う中小企業が、将来の日本経済の発展に向けて事業を継続し、「価値ある事業」を次代に繋ぎ、成長していくことが必要不可欠
【具体的な施策・支援策】
1.円滑な事業承継の実現に向けた総合的な支援の推進
○早期の事業承継の準備に向けた経営者の気づきを促進する取り組みの実現
・事業承継に関する経営者の意識改革に向けて、国による事業承継の機運醸成を図るための徹底的な広報の実施、地方自治体や、支援機関、地域金融機関を通じた事業承継ガイドラインの普及 等
○事業承継の課題を総合的に検討し、各々の専門家に繋ぐことが出来る人材の育成
○地方自治体を中心に地域一丸となった事業承継への取り組みが必要
・地方自治体を中心に金融機関、支援機関が連携し、地域全体での円滑な事業承継に向けた取り組みの促進
2.親族内承継の促進に向けた具体的な対策
○円滑な「事業の承継」の実現に向けた、後継者対策の推進
・後継者確保に向けた早期の取り組み後押し、後継者教育の充実
○株式の円滑な移転に向けた、事業承継税制、取引相場のない株式評価の見直し
3.親族外承継の促進に向けた具体的な対策
○円滑な従業員承継の実現に向けた支援体制の充実
・株式買い取り資金調達に対する低利融資、信用保証制度の創設、従業員承継における課題認識の促進
○第三者承継(M&A)の促進に向けた対策
・第三者承継(M&A)に向けた情報提供の強化、小規模M&Aの促進に向けた支援体制の充実
○地域における親族外承継促進に向けた対策
東京商工会議所
中小企業部
担当 阿知良・大山
TEL 03-3283-7724