東京の観光振興策に関する意見について
東京商工会議所
地域振興部
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催の第697回常議員会において、観光委員会(委員長:佐々木隆副会頭・ジェイティービー相談役)がとりまとめた標記意見書を別紙の通り決議しましたのでお知らせします。
政府は、昨年3月、観光先進国の実現に向けて、2020年の訪日外国人旅行者数4,000万人、同年の訪日外国人旅行消費額8兆円などの高い目標を設定し、観光振興への取り組みの方針を「明日の日本を支える観光ビジョン」として策定しました。こうした状況のなか、東京都は都の観光振興を戦略的に進めるため、本年1月、新たに「PRIME 観光都市・東京~東京都観光産業振興実行プラン2017」を策定しました。
本意見書では、基本的な考え方として、①観光は、東京の成長・地域活性化の切り札として、幅広い関連産業に経済波及効果をもたらすとともに、地域社会の価値向上に重要な役割を果たす、②2020年東京オリンピック・パラリンピックは、世界に東京の魅力をPRする絶好の機会であり、観光資源の磨き上げやインフラ整備を加速する必要がある、③東京は、世界最高の観光都市として更なる発展が望まれると同時に、日本各地との連携を強化し、観光振興の効果を全国へ波及させることが重要、④目標数値及び施策について、進捗を毎年確認し機動的な見直しを図ることにより、観光を巡る急速な環境変化に迅速かつ的確に対応していくことが重要、としています。
具体的な意見事項としては、4つの柱からまとめており、特に観光を基幹産業へ飛躍させていくためには、消費額の拡大に向けたインバウンド対応力向上等による観光経営の推進や、リピーター増の拡大に向けた東京の更なる魅力向上に資する施策の展開が必要と意見しています。
今後、東京都をはじめ関係各方面に提出し、意見内容の実現に向けた働きかけを行ってまいります。
【意見項目(抜粋)】
1.消費拡大に向けた観光経営
(1)地域・中小企業のインバウンド対応力向上
(2)観光産業を担う人材の育成と確保
(3)宿泊施設の充実と多様化
(4)統計の整備と観光ビッグデータの利活用促進
(5)国内観光の活性化に向けた戦略的取組の推進
(6)観光施策の推進に向けた予算拡充と実施体制強化
2.観光都市・東京の更なる魅力向上
(1)観光の視点に立ったまちづくりの推進
(2)観光資源の磨き上げによる賑わい創出
(3)公的インフラ・施設を活用した観光拠点の整備
(4)スポーツ・文化芸術・食文化に着目した観光資源の活用
(5)地域の観光関連団体の連携・活動強化
3.魅力の発信・効果的な誘致活動の展開
(1)多様な国・地域からの誘客に向けた観光プロモーションの展開
(2)ビジネス需要の拡大と地域活性化に向けたMICEの促進
(3)長期滞在の促進に向けた日本各地の連携強化
4.すべての旅行者に快適な受入環境の整備
(1)旅行者の急増に対応する供給能力の拡大
(2)外国人旅行者の利便性向上
(3)旅行者・生活者双方の安心・安全の確保
東京の観光振興策に関する意見
東京商工会議所
地域振興部
担当 小島・岩澤
TEL 03-3283-7658