政策提言・要望

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「国の中小企業対策に関する重点要望」について

2017年7月14日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催した第697回常議員会において、中小企業委員会(委員長:大久保秀夫副会頭・フォーバル会長)が取りまとめた標記要望を、別紙の通り決議いたしました。本要望は、下記の「基本的な考え方」に基づき、具体的な要望内容を取りまとめたものです。今後、要望内容が国の中小企業対策に反映されるよう、関係省庁ならびに政府に対し、強く働きかけていきます。基本的な考え方および主な要望事項は以下の通りです。

国の中小企業対策に関する重点要望

【基本的な的な考え方】わが国の「成長する経済」への軌道変更に向けた中小企業の成長力底上げを
Ⅰ.新たなイノベーションの創出による生産性向上と多様な人材の活躍推進による人手不足解消
⇒中小企業の人手不足が深刻化する一方で、IoTやAIなど新たな産業や技術が進展している。この状況を好機と捉え、新たなイノベーションの創出によって生産性を向上し、現状を打破すべき
・人手不足の解消には多様な人材の活躍推進も重要。女性や高齢者、若年層が労働市場に参加できるよう、環境づくりに取り組むべき
Ⅱ.「大事業承継時代」の到来を控え、円滑な事業承継の実現に向けた環境整備
⇒中小企業の経営者年齢が高齢化し、今後多くの中小企業で「大事業承継時代」が到来することは必至。「価値ある事業」を後世に残すため、円滑な事業承継に向けた環境整備を多方面から進めるべき
Ⅲ.日本経済の基幹となる中小企業・小規模事業者の経営力底上げ
⇒わが国が「成長する経済」へ軌道変更するためには、中小企業・小規模事業者の持続的成長が不可欠。中小企業・小規模事業者の経営力底上げをわが国経済の浮揚のきっかけにするべき


【主な要望事項(抜粋)】
Ⅰ.新たなイノベーションの創出による生産性向上と多様な人材の活躍推進による人手不足解消
・生産性向上をもたらすプラットフォーム変革の促進、イノベーションや成長を阻害する規制の撤廃・緩和、産業競争力強化法の延長
・オープンイノベーションなど、企業間や産学官連携などに対する支援の推進
・「同一労働・同一賃金」や「時間外労働」など、「働き方改革実行計画」における中小企業への配慮
・中小企業のICT利活用をさらに後押しするため、サービス等生産性向上IT導入支援事業の継続・拡充
・IT導入を促進するための業務やバリューチェーンの可視化、その実現に向けたコンサルティング支援
・社会保険や税制面における、提出書類の簡素化、統一化、提出先のワンストップ化
Ⅱ.「大事業承継時代」の到来を控え、円滑な事業承継の実現に向けた環境整備
・事業承継ガイドラインの周知や経営者の気づきを促進する取り組みの強化
・事業引継ぎ支援体制の強化(事業引継ぎ支援センターの予算拡充、事業引継ぎに係る費用の補助等)
Ⅲ.日本経済の基幹となる中小企業・小規模事業者の経営力底上げ
・中小企業等経営強化法を活用した施策の推進、小規模事業者持続化補助金の継続拡充、等
・IT企業育成のため、マル経融資における情報通信業の規模要件の緩和(5人→20人)
・中小企業の海外販路開拓の後押し(海外展示会出展支援の強化、日本製品の認知度向上支援)
・中小企業が安心してビジネスを行うために必要な環境整備や制度改革の推進(社会保障制度改革推進、経済と環境を両立するエネルギー政策、東京・首都圏の国際競争力強化)
・観光産業を基幹産業へ育てる取り組みの強化(多言語対応や通信環境整備などの利便性向上等)

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 阿知良・大山
TEL 03-3283-7724