「中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた意見」について
東京商工会議所
中小企業部
東京商工会議所(小林健会頭)は、事業承継対策委員会(委員長:渡辺元・渡辺パイプ(株)会長)における議論をふまえ、標記意見をとりまとめましたので、お知らせします。
中小企業経営者の高齢化が進み、後継者不在の事業者の廃業が懸念されています。休廃業を選択した事業者の半数以上は直近の決算が黒字となっており、このままでは中小企業の「価値ある事業」が失われるおそれがあり、事業承継対策は急務となっております。本意見書では、事業承継の決断に向けた強力な後押し、事業承継税制の特例措置の恒久化と活用促進、自社の役員・従業員に承継する際の支援策の体系化・拡充、後継者不在企業の第三者承継の推進、総合的な支援体制の維持・強化、の5つの柱で要望しております。
本意見書は、事業承継に関するさまざまな課題に対応した具体的な対策を要望するものであり、今後、国や東京都の施策に反映されるよう、強く働きかけて参ります。
【重点要望項目】
1.事業承継の決断に向けた強力な後押し
・経営者や関係者、支援機関に対する、事業承継の決断を後回しにすることによるリスクの周知
・事業承継計画の早期作成の推進
2.事業承継税制の特例措置の恒久化と活用促進
・事業承継税制の特例措置の恒久化(一般措置の特例措置並みの拡充)
3.自社の役員・従業員に承継する際の支援策の体系化・拡充
・従業員承継における多様な手法と事例、注意点に関する体系的な情報発信
・従業員承継に特化した公的な事業承継支援ファンドの創設
4.後継者不在企業の第三者承継の推進
・悪質な買い手やM&A専門業者に対する規制強化の検討
・経営者に対するM&Aの正しい理解の促進
・「事業承継・引継ぎ支援センター」における「トレーニー研修制度」の創設
・同業者間でのM&Aを推進するため業界団体・組合におけるマッチング支援体制構築の後押し
・「事業承継・引継ぎ支援センター」における、譲受側に対する外部専門家支援の予算確保
5.総合的な支援体制の維持・強化
・地域持続化支援事業(拠点事業)「ビジネスサポートデスク」の安定的な予算確保・利用促進
東京商工会議所
中小企業部
担当 居城・張替
TEL 03-3283-7724