最低賃金引上げの影響に関する調査結果について~最低賃金引上げの影響は年々拡大、対応策は設備投資の抑制等が多数~
東京商工会議所
産業政策第二部
日本商工会議所ならびに東京商工会議所(ともに三村明夫会頭)は、「最低賃金引上げの影響に関する調査」を実施し、結果を取りまとめましたのでお知らせいたします。
本調査は、最低賃金が4年連続で3%台の大幅な引上げが続いている中、中小企業への影響を把握することで今後の要望活動に活かすとともに、国・地方の最低賃金審議会において、中小企業の実態に即した意見主張を行うために実施しました。調査結果のポイントは以下のとおりです。
【 調査結果のポイント】
○昨年度の最低賃金引上げの直接的な影響を受けた中小企業の割合は、2019年度調査の38.4%から3.4ポイント上昇し41.8%となった。最低賃金の大幅な引上げに伴う中小企業への影響が広がっている。
○仮に、今年度の最低賃金が10円~40円引上げられた場合の影響の有無を聞いたところ、10円引上げられた場合に「影響がある」と回答した企業は33.1%に上る。 また、30円および40円の引上げとなった場合、過半数の企業が「影響がある」と回答した。
○30円および40円の引上げとなった場合に「影響がある」と回答した企業に対応策を聞いたところ、「設備投資の抑制等」が最も多く、次いで「正社員の残業時間を削減する」、「一時金を削減する」との回答が多かった。したがって、最低賃金の大幅な引上げは、設備投資による生産性向上の阻害要因になることに加え、賃金増に必ずしも直結しないことがうかがえる。
○最低賃金引上げに対応するために必要と考える支援策は、「取引価格の適正化・円滑な価格転嫁」との回答が58.8%で最も多かった。
(1)調査地域:全国47都道府県
(2)調査対象:中小企業 4,125社
(3)調査期間:2020年2月3日~3月6日
(4)調査方法:各地商工会議所職員による訪問調査
(5)回収商工会議所数:417商工会議所
(6)回答企業数:2,838社(回答率:68.8%)
東京商工会議所
産業政策第二部
担当 杉崎、清田、須田
TEL 03-3283-7940