資源・エネルギー部会（部会長＝井手明彦・三菱マテリアル相談役）は10月16日、電力広域的運営推進機関の理事・事務局長の佐藤悦緒氏を講師に招き、講演会「電力システム改革の展望と電力広域的運営推進機関の役割」を開催しました。

　佐藤氏は、「東日本大震災を契機に従来の電力システムが抱える限界が明らかになり、電力の低廉かつ安定的な供給を一層進めるため、抜本的な改革が必要になった」と背景を説明しました。その上で、改革方針の全体像やスケジュール、改革の３本柱（①広域系統運用の拡大、②小売及び発電の全面自由化、③法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保）について具体的に解説しました。

　さらに、改革の第１段階として今年４月に設立された同機関の役割について、「各エリアの需給バランスや周波数調整、さらに電力融通の指示を出すなど広域的な運用を行う専門機関が必要だ。このため、実効性のある調整能力を発揮できるよう、法律上、同機関に強い権限を与えた。」と強調しました。

　参加者からは「新聞、ニュースなどの報道では語られていない部分を知ることができた」「背景や経緯から説明してもらえたので、大変分かりやすかった」といった声が寄せられました。