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「中小企業の知的財産に関する調査」報告書の公表について

2013年3月11日
東京商工会議所
産業政策第一部

 東京商工会議所(岡村正会頭)の知的財産戦略委員会(荒井寿光委員長:東京中小企業投資育成社長)では、中小企業の知的財産に関する実態を把握するため標記調査を実施し、このたび報告書を取りまとめましたので、お知らせします。

【 報告書のポイント】

知的財産の経営への活用は不十分
○知的財産権の出願経験のある企業は7割を超えるものの、知的財産の経営への活用は約6割に止まる。ものづくりやブランド構築における先 進事例の紹介など、一層の普及啓発が必要
(本報告書では、知的財産権は、特許権、実用新案権、商標権、意匠権の4つの権利を指す。また、知的財産は知的財産権にノウハウを含めたもの)

技術・営業情報の流出被害、模倣品被害は深刻化
○約1/4の企業が技術・営業情報の流出被害を経験。流出経路は、「退職従業員による流出」、「業務提携等の取引先経由による流出」が多い。流出経路毎に必要となる具体的な取り組みを示した“実務マニュアル”の作成・普及が必要
○約3割の企業が模倣品被害を経験。海外での被害は中国が最も多い。中小企業が自ら模倣品被害に十分な対応をするのは困難。在外公館等による相手国政府への働きかけ強化や民間交渉への同席など、国による対応の強化が不可欠

知的財産関連施策の利用は少ない
○「国内出願および権利維持費への助成」(65.7%)、「海外出願および権利維持費への助成」(38.3%)と公的支援のニーズは高いにも関わらず、既存制度の利用は少ない(「国内出願の助成」(4.3%)、「外国出願の助成」(6.9%))。特に、特許料等の減免制度に関しては要件が厳しく、手続きが煩雑との意見も多い。米国のスモールエンティティ制度を参考に、特許料等の減免制度の要件の緩和や減免措置内容の拡充、減免期間の延長、手続の簡素化が必要

【調査概要】
 調査期間:平成24年8月28日~9月19日
 調査対象:都内中小製造業5,194社
 回 答 数:649社(回答率12.5%)

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
産業政策第一部
担当 張替(はりがえ)
TEL 03-3283-7638