「働き方改革に関する緊急アンケート調査」の集計結果について
東京商工会議所
産業政策第二部
東京商工会議所(小林健会頭)は、標記調査を実施し、別添のとおり結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。
本調査は、2019年に施行された「働き方改革関連法」について、施行後5年の見直しに向けた検討が行われていることを踏まえ、中小企業における時間外労働の上限規制への対応状況や課題等の実態を把握する目的で実施しました。調査結果のポイントは以下のとおりです。
【 調査結果のポイント】
【ポイント①:時間外労働上限規制の事業運営への影響】
○時間外労働上限規制の事業運営への影響について、「支障が生じている」企業は全体では約2割(20.5%)に止まるも、業種別に見ると宿泊・飲食業(55.6%)、運輸業(54.7%)で5割超、建設業で4割超(42.2%)と影響が大きい。
○「支障が生じている」企業の約6割(58.8%)が、対応困難な規制項目に、「月間の時間外労働45時間を超えられるのは年間6か月(回)まで」を挙げるが、運輸業(65.5%)や建設業(62.9%)では6割を超える。
○「支障が生じている」企業の約6割(60.6%)が、対応困難な理由に「全社的な人手不足」を挙げる。「事業特性上、繁閑の差が激しい」(宿泊・飲食業53.3% 運輸業44.8% 建設業41.9%)、「特定の技能や専門性を有する人材の不足」(宿泊・飲食業53.3% 建設業50.0%)を挙げる企業も多い。
【ポイント②:働き方改革見直しの方向性への考え】
○働き方改革(時間外労働の上限規制を含む)について、「上限を維持しつつ運用の見直しが必要」が5割弱(44.5%)に及び、「上限規制の緩和が必要」(18.1%)と合わせると、6割を超える。
○「運用の見直し」、「上限規制の緩和」を必要とする理由(自由記入)としては、「繁閑の差や業種特性への配慮」、「副業が増えることへの懸念」、「本人意思に基づく働き方の多様性」などが挙げられている。
⇒現行の時間外労働上限規制によって支障が生じている企業は宿泊・飲食、運輸、建設において多い。「月間の時間外労働45時間を超えられるのは年間6か月(回)まで」の見直しやより柔軟な働き方を可能とする制度の検討など、業種ごとの実態を踏まえた運用の見直しが求められる。
(1)調査期間:2025年11月10日~11月25日
(2)調査対象:東京商工会議所会員企業
(3)回答企業数:1,079社
東京商工会議所
産業政策第二部
担当 渡邊・其田・佐藤
TEL 03-3283-7940