政策提言・要望

政策提言・要望

雇用・労働政策に関する重点要望について

2024年12月19日
東京商工会議所
産業政策第二部

 日本商工会議所ならびに東京商工会議所(ともに、小林健会頭)はこの度、標記要望を決議しましたので、お知らせします。

 深刻な人手不足と物価高騰を背景に賃上げ圧力は高まっており、政府も最低賃金引上げの加速を重点政策に掲げています。多くの中小企業が賃上げに取り組む一方、「防衛的賃上げ」の割合は依然として高く、既に「賃上げ疲れ」との声も聞かれます。中小企業の自発的・持続的な賃上げに向けては、強力な支援が求められます。
 他方、労働力人口の減少が進む中、中小企業の実態を踏まえた公的な職業紹介・職業訓練の抜本強化とともに、限られた人員で成長を実現する「少数精鋭成長モデル」への自己変革(省力化・育成・多様性)に対する支援が求められます。
 こうした認識のもと、政府が取り組むべき雇用・労働政策について、本要望を取りまとめました。当所では本要望の実現に向けて、政府に対して働きかけて参ります。
 なお、本要望と同時に女性、外国人材、シニア、障害者等の活躍推進に関して「多様な人材の活躍に関する重点要望」をまとめていますので、あわせてご確認ください。

重点要望項目


【中小企業による「自発的・持続的な賃上げ」、「少数精鋭成長モデル」への自己変革に力強い支援を】

1.最低賃金制度の適切な運用
 ○ 法の趣旨に則り、データに基づく納得感のある審議決定
 ○ 地方・中小企業の実態を十分踏まえた政府目標の設定
 ○ 最低賃金の大幅な引上げによる影響に関する実態把握

2.自発的・持続的な賃上げへの支援
 ○ 賃上げに向けた生産性向上の取組み等に対する支援
 ○ 労務費を含む価格転嫁の推進・実効性確保
 ○ BtoC を含む「適正価格での購入・取引」に対する意識の浸透

3.中小企業の人材確保への支援
 ○ 採用・転職・解雇・働き方に関する政策の見直し
 ○ 公的職業紹介の機能強化、中小企業の採用活動に対する支援
 ○ 令和6年能登半島地震および豪雨災害被災地域の雇用維持・確保に対する支援

4.「少数精鋭成長モデル」への自己変革支援
(1)「省力化」への支援
 ○ 生産性向上に資する業務プロセス再構築への支援
 ○ 社内デジタル人材の育成支援
(2)「育成」への支援
 ○ 企業内の教育訓練・人材育成強化に資する支援
 ○ 働く人の能力開発を支える雇用保険財政の早期健全化、在り方の検討
(3)「多様性」への支援
 ○ 時間や場所にとらわれない多様で柔軟な働き方の推進

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
産業政策第二部
担当 橋本、渡邊、其田、清田
TEL 03-3283-7940