東京都の雇用就業施策に関する重点要望について
東京商工会議所
産業政策第二部
東京商工会議所(小林健会頭)はこの度、標記要望を決議しましたので、お知らせします。
深刻な人手不足と物価高騰を背景に賃上げ圧力は高まっており、政府も最低賃金引上げの加速を重点政策に掲げています。多くの中小企業が賃上げに取り組む一方で、「防衛的賃上げ」の割合は依然として高く、既に「賃上げ疲れ」との声も聞かれます。中小企業の自発的・持続的な賃上げに向けては、強力な支援が求められます。
他方、労働力人口の減少が進む中、中小企業は「人が足りない、人が採れない」という厳しい状況にあり、政府が進める「円滑な労働移動」による人材流出への懸念も根強くあります。中小企業の実態を踏まえた公的な職業紹介・職業訓練の抜本強化とともに、限られた人員で成長を実現する「少数精鋭成長モデル」への自己変革(省力化・育成・多様性)に対する支援が求められます。
併せて、限られた予算で効果的に施策を展開するためには、優先すべき施策課題や支援対象となるターゲットを明確にし、実施後は、予算措置された各施策についての評価・検証を行う必要があります。
こうした認識のもと、東京都が取り組むべき雇用就業施策について、本要望を取りまとめました。当所では本要望の実現に向けて、東京都に対して働きかけてまいります。
なお、本要望と同時に女性、外国人材、シニア、障害者等の活躍推進に関して「東京都の多様な人材の活躍施策に関する重点要望」をまとめていますので、あわせてご確認ください。
重点要望項目
【中小企業による「自発的・持続的な賃上げ」、「少数精鋭成長モデル」への自己変革に力強い支援を】
1.自発的・持続的な賃上げへの支援
○ 労務費を含む価格転嫁の推進・実効性確保
○ BtoC を含む「適正価格での購入・取引」に対する意識の浸透
2.中小企業の人材確保への支援
○ 業界と連携した人材確保の取組推進
○ 多様な担い手の活躍機会創出に向けた支援強化
○ インターンシップなどを通じた中小企業で働く魅力の発信強化と採用力向上
3.「少数精鋭成長モデル」への自己変革支援
(1)「省力化」への支援
○ 生産性向上に資する業務プロセス再構築への支援
○ 社内デジタル人材の育成支援
○ 介護など労働集約型産業におけるデジタル人材育成に向けた重点的支援
(2)「育成」への支援
○ 企業内の教育訓練・人材育成強化に資する支援
(3)「多様性」への支援
○ 時間や場所にとらわれない多様で柔軟な働き方の推進
東京商工会議所
産業政策第二部
担当 渡邊、其田、清田
TEL 03-3283-7940