政策提言・要望

政策提言・要望

「東京都の中小企業対策に関する重点要望」について

2024年7月11日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健会頭)は、本日開催した第771回常議員会において、中小企業委員会(委員長:大島博副会頭・(株)千疋屋総本店社長)が取りまとめた標記要望を決議しましたので、お知らせします。
 中小企業の景況感は回復基調を見せるものの、足元では、あらゆる業種で人手不足が深刻化し、長引く円安や原材料費の高騰の影響に加え、地政学リスク等により先行き不透明感が増しています。今後、生産年齢人口の減少も見込まれる中、本要望では、中小企業は環境変化に強い経営を実現するため、成長を目指し自己変革に挑んでいくことが不可欠という認識のもとで取りまとめたものです。また、人手・人材不足への対応強化、適正価格での取引推進や、東京の発展に寄与するスタートアップの成長促進、事業承継などの「成長ステージ」に応じた支援の強化についても要望しております。
 今後、要望内容が東京都の中小企業対策に反映されるよう、東京都および東京都議会に対し、強く働きかけてまいります。主な要望事項は以下の通りです。

【要望項目概要】


Ⅰ.新たな価値創造に向けた取り組みの後押し ※【新】は新規・拡充項目
【新】経営戦略策定支援の体制強化・拡充による自己変革に挑む企業の裾野拡大(新分野進出、業態転換にも活用できる「企業変革推進事業」の予算拡充、対応業種の拡大)
【新】スタートアップと中堅・中小企業の協業による事業化、成果創出に向けたハンズオン支援事業の強化、中長期にわたる支援制度の創設、成果報酬型の「協定金スキーム」など民間の力を活用した支援の強化
【新】新たに国際展開に取り組む企業の自走化までのサポート強化


Ⅱ.人手・人材不足への対応強化
【新】IT導入からDXによる競争力強化までの伴走支援の継続と実効性向上に向けた対応の強化、効果検証の実施
【新】IT導入やデジタルシフトに資する伴走支援の質向上に向けた支援者の育成強化
【新】社内のデジタル化推進の中核となる人材育成に対する支援の活用促進
【新】「職業能力開発センター」の機能強化(訓練内容の質・量のさらなる拡充等)
【新】業界と連携した人材確保の取組推進、人手不足業界の魅力発信の強化

Ⅲ.適正価格での取引推進に向けた環境整備
・下請企業の価格交渉促進に向けて業種に応じた個社支援・指導の強化(下請企業対策の拡充、下請センター東京における普及啓発・相談対応の強化)
・BtoC事業者の円滑な価格転嫁を実現するため、付加価値も含めた適正価格で取引することに対する理解促進(メディアを通じた消費者向け広報の強化)

Ⅳ.中小企業の成長ステージに応じた支援の強化
・新たな地域経済の担い手にもなる起業・創業の促進に向け、特に初等中等教育などの年代も含めた、アントレプレナーシップ教育の強力な推進
【新】スタートアップエコシステムの活性化、中堅・中小企業の参画促進
・事業承継対策の第一歩である自社株式の評価の重要性の周知
【新】資金繰りや収益力改善の早期相談、早期経営改善支援の強化
・円滑な廃業と再チャレンジの早期決断に向けて、東京信用保証協会をはじめとした公的機関、地域金融機関などのオール東京での支援強化(廃業の決断に必要となる事業再生や再チャレンジも含めた全体像の提示、各種施策の周知)

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 小野・三島・張替
TEL 03-3283-7724