政策提言・要望

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「国の中小企業対策に関する重点要望」について

2025年7月10日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健会頭)は、本日開催した第782回常議員会において、中小企業委員会(委員長:大島代次郎副会頭・(株)千疋屋総本店社長)が取りまとめた標記要望を決議しましたので、お知らせします。

 中小企業では、深刻な人手不足を背景に、業績改善を伴わない防衛的な賃上げを余儀なくされており、為替変動や原材料費の高止まり、消費マインドの低迷にも直面するなど、厳しい経営環境に置かれております。また、米国の相互関税や国際情勢の不安定化による影響が懸念されており、中小企業の景況感も先行き不透明感が広がっています。
 このような中、持続的な賃上げと投資がけん引する成長型経済を実現するためには、雇用の約7割を担う中小企業の「稼ぐ力」の強化が不可欠となります。こうした認識のもと、地域経済に大きな影響を与える3つの柱を重点とし、継続項目とともに本要望を取りまとめました。なお、米国の相互関税に対する要望項目として、状況に応じた迅速な情報提供や、取引適正化におけるしわ寄せ防止などを各柱の中に盛り込んでおります。
今後、要望内容が国の中小企業対策に反映されるよう、関係省庁に対し、強く働きかけてまいります。

「国の中小企業対策に関する重点要望」要望項目

【重点項目】*新規項目
I.成長投資の拡大による地域経済の発展
 1.地域企業への波及効果が期待される中小企業の成長支援
   成長志向の中小企業に対する設備投資支援の拡充*/「パートナーシップ構築宣言の公表」を補助金要件に追加*
 2.スタートアップの成長促進
   多様な資金調達支援の周知*/実証実験事業などを通じた行政による支援強化
Ⅱ.事業再生・再チャレンジに向けた早期支援
   早期相談の促進、早期経営改善支援の強化/「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の周知促進
Ⅲ.取引適正化の定着
   相互関税のしわ寄せ防止に向けた重点調査の実施、働きかけ強化*
   官公需における取引適正化の徹底*/付加価値も含めた適正価格での取引に対する理解促進

【継続項目】
Ⅰ.人手・人材不足への対応強化
 1.デジタルシフト・DXの加速化による生産性向上支援
 2.中小企業の自己変革を支える人材確保・育成支援
 3.多様な人材の活躍推進
Ⅱ.付加価値向上・販路開拓など企業による自己変革の後押し
 1.イノベーション活動に対する支援強化
 2.カーボンニュートラルへの対応力強化
 3.国際展開に対する支援(迅速な情報提供および状況に応じた支援*)
 4.地域産業の成長を支える国内販路開拓支援
Ⅲ.成長ステージに応じた支援の強化
 1.起業・創業の促進
 2.地域経済を支える中小企業・小規模事業者に対する支援継続、強化
 3.価値ある事業の円滑な承継や事業再編に向けた支援

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 小野・椛澤・張替
TEL 03-3283-7724