ニュースリリース
「2030年代に向けて 力強く成長し続ける都市・東京へ」をとりまとめました
東京商工会議所
総務課
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、東京の将来を考える懇談会(北沢利文座長・東商議員/東京海上日動火災保険(株)相談役)において、標記報告書をとりまとめましたので、お知らせします。
東京の人口は2025年をピークに減少に転じるといわれています。東京2020大会が終了し、次の成長エンジンを模索する中、昨今の原材料・エネルギー価格の高騰、世界的な感染症の拡大懸念、頻発する自然災害等、外部環境は不透明感を増しています。このような状況を踏まえ、東京商工会議所では、2030年代を見据えた企業と東京の成長の方向性を議論すべく、2019年11月に当懇談会を設置しました。
当懇談会では、2030年代の企業と東京の成長を考えるにあたり、1.日本経済の低成長、2.低迷する東京の成長率、3.デジタル化が及ぼす産業構造の変革、4.コロナ禍などにより高まる不確実性の4つの問題意識を始点に検討を進めました。その後、「会員企業とりわけ中小企業の視点に立った活動」、「東京の成長の中核は企業の成長であり、中小企業の成長が不可欠」、「不確実性の中、いかに中小企業が成長していくか」、「地域に根差す中小企業の活動を通じて、都市・東京の魅力をいかに高めるか」という活動指針を定め、議論を深めました。さらに、2022年には、東京23区内の約9700社を対象に同テーマに関する調査を実施し、これまでの議論の成果と併せて報告書に盛り込みました。東京商工会議所が地元の総合経済団体として、2030年代の東京ならびに中小企業の成長発展に向けて様々な角度から議論し、報告書を取りまとめるのはこれが初めてです。
報告書では、“東京を力強く成長し続ける都市”に変革していくことが重要との認識に立ち、「成長し続ける元気な中小企業」、「魅力あふれる都市・東京」、「東商が果たすべき役割」の3つのポイントで今後の方向性を整理しています。
「2030年代に向けて 力強く成長し続ける都市・東京へ」の概要
ポイント1 環境変化に機敏に対応し、成長し続ける元気な中小企業へ
○変化が激しいからこそ、ぶれない経営の軸が重要
■どのような組織(体制、風土)であるべきか
1.多様な人材が活躍できる環境
2.状況変化に応じ、試行錯誤する
3.成功体験に捉われず、失敗を恐れず挑戦する
4.最前線にいる現場の創造性や改善意欲を活用
■どのような人材を育成すべきか
1.組織と個人の目標が合致し、仕事を通じ社会貢献を実感するとともに、仕事に誇りを持てる人材
2.状況変化や顧客ニーズを察知できる人材
3.生産性を向上させるために、仕事のデジタル化を考え、外部の知見を活用できる人材
【中小企業の成長へ】
○顧客ニーズや変化を踏まえ新しい分野へ挑戦 ▶イノベーション創出
○自社らしさ、ブランディングによる、より付加価値の高い製品・サービスの提供 ▶付加価値向上
ポイント2 魅力あふれる東京 情報が集まり行き交う都市へ
【構成要素】
1.新しい事業や企業などに挑戦しやすい環境
2.23区それぞれの歴史や特徴を踏まえた地域の文化や独自性
3.地域に根差した多様な産業構造
4.創造性を活かし育む多様なコミュニティやイベント
5.国内・海外の様々な地域からアクセスがしやすい
6.多様な人材や企業が集まり交流が生まれる
7.安全、安心して住むことができる環境
【実現に向けたアプローチ】
○オープンかつイノベーティブな東京
○ビジネス機会の創出
○多様な人々が行き交い、人材や文化の接触・融合を拡大
○都市基盤の安全・安心、強靭化(レジリエンスの確保)
ポイント3 東商が果たすべき役割
○現場主義・双方向主義のさらなる推進
○変化を察知・対応しスピード感を持つ組織へ
⇒困難に立ち向かう企業の変革力支援
⇒多様な中小企業の声を行政に
◆力強く成長し続ける都市・東京へ◆
東京商工会議所
総務統括部総務課