和のごはん みかづき(所在地:墨田区太平、店主:板垣 美加子)は、JR錦糸町駅から徒歩6分の立地にある、有機野菜と鮮魚をふんだんに使用した、体にやさしい和食を提供する飲食店です。1999年に東京商工会議所の創業支援により開業。日本料理専門技能士、ソムリエ、きき酒師の資格を持つ女将の板垣氏による、手作り料理を楽しめます。

ランチ日替わり定食「魚のにこごり」「契約農家のじゃが芋コロッケ」ほか



デジタルシフト・DXの取り組み

新人スタッフ向け「スタッフ動画」の制作
 同店は2019年頃から、新人スタッフ向けにキッチン業務の作業をまとめた「スタッフ動画」を制作し、YouTubeに限定公開でアップロードしています。それまでは、新人スタッフには、板垣氏が直接全ての作業を手取り足取り教えていましたが、現在はスタッフ動画を活用しています。
 同店は主に板垣氏一人で運営しているので、日雇いアルバイトを雇っていましたが、日雇いアルバイトにキッチン業務を教える時間すら惜しいほど、多忙を極めていました。思い悩んでいた頃、板垣氏が学生時代に大手飲食チェーンで働いていた際、新人スタッフがまずマニュアル動画を視聴して、実際の店舗業務に取り掛かっていたことを思い出しました。2019年頃、常連客から地元の制作会社を紹介してもらい、動画制作を始めました。板垣氏自ら手持ちのスマートフォンでキッチン業務や清掃業務等を行う様子を撮影・編集して、YouTubeにアップロード。天ぷらの揚げ方や皿洗いの方法、清掃のコツ等を板垣氏が実演しながら解説します。新人スタッフが視聴している間、板垣氏は別の作業に専念することができ、労働時間の短縮につながりました。また、新人スタッフは業務前や隙間の時間に繰り返し視聴でき、予習復習も可能です。板垣氏自身の時間の効率化のために始めたスタッフ動画ですが、新人スタッフにも好評です。今後の課題は、短くて分かりやすい動画を制作すること、と言います。

手作り動画でPR
 また、同店は創業時からPRチラシを制作して近隣等に配布していましたが、スタッフ動画制作と同時にPR動画の制作を始め、1か月に3本程度を発信しています。PR動画の制作については、区の補助金(商店魅力アップ支援事業)を活用。当初は、制作会社から、撮影やテロップの入れ方等の編集方法等を教えてもらい、板垣氏自身が試行錯誤しながら制作しました。不明点などは、その都度相談して改善。魚の捌き方やレシピ、メニュー紹介等、様々な内容で企画し、現在は板垣氏一人で撮影から編集、アップロードまで行っています。動画の発信を継続することで、常連客やお客様から「動画見たよ」などの反応があり、声をかけてもらえるそうです。板垣氏は「作るだけではなく、発信し続けることが大切ですね」と語ります。


今後の展望

 「今後も、YouTubeやInstagram等のSNSを通じたPRを積極的に行います」と話す板垣氏。創業当時から、他店の取り組みを見て学び、日々改善に努めている同店。制作会社の担当者から言われていることで、現在も意識していることは「毎日発信すること」「諦めず継続すること」。継続して動画や写真をSNSに投稿し、PR機会を増やすことが重要だと言います。日々の継続の積み重ねが大切。地元の方とのつながりを大切にしながら「本物の味を近所で食べられる、地元になくてはならない店」を目指して営業していきます。



店主 板垣 美加子 氏




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