事業承継事例

株式会社nobilu(代表取締役:藤川 真至 氏、所在地:東京都渋谷区神山町5丁目)は、「街に出来たてのチーズをお届けする」をコンセプトに、2012年に「SHIBUYA CHEESE STAND」をオープン。毎朝、牧場から仕入れた生乳を使って新鮮なチーズを製造・販売しています。




会社創業までの経緯

藤川社長は、大学在学中に世界を旅している途中で立ち寄ったイタリア・ナポリの「出来立てモッツァレラチーズ」に感銘を受け、そのままナポリのレストランに住み込みチーズ作りに励みました。帰国後、名古屋のレストランで料理人としての腕を磨き、東京のドーナツ店で店舗マネジメントを経験。2012年、自身が作るチーズの美味しさを人々に知ってもらいたいという想いから、文化・情報の発信地である東京都渋谷区で開業しました。

1号店のカフェで出来立てのチーズを食べてもらえるよう顧客の目の前でチーズを作る傍ら、開業から半年後にオンラインショップを開設。その後、百貨店・スーパーマーケットへの卸売も始めました。

IT活用

学生時代からホームページの作成やブログを書くことに慣れていた藤川社長は、投稿サイトの「note」や、「Instagram」「Twitter」「Facebook」などのSNSを使ってチーズ作りのコンセプトを積極的に発信しています。販売促進策の一環として、一般顧客が24時間いつでも注文できるオンラインショップの運営に力を注ぎ、卸売業者が自社ロゴマークや商品画像を自由にダウンロードできるホームページを作成するなどの取り組みを進めるうちに、一般顧客、卸売業者のみならず全国各地の飲食業者、メディア関係者からの問い合わせが増加していきました。

また、業容拡大に伴う人手不足を補うべく、予約システム「TORETA」、社内共有ツール「Googleクラウドサービス」、会計管理「マネーフォワード」、受発注システム「COREC」ほか数多くのITツールを活用しながら業務効率化を図っています。

コロナ禍で売り上げ構成に変化

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う東京都からの飲食店に対する休業要請(営業時間の短縮要請)を受けて1号店カフェの営業時間を短縮した結果、 飲食業の売り上げが大幅ダウン。時短営業での小売、従来どおりの製造、卸、オンラインショップ運営 を継続しながら、チーズ以外の食材やワインなど取扱商品の増加、チーズ加工食品の開発、Zoomを使ったオンライン食事会の開催に取り組んだ結果、卸売業の売り上げはコロナ禍以前を上回っています。

課題

カフェ営業、製造、小売、卸、オンラインショップなど複数の業態を営む「SHIBUYA CHEESE STAND」は、従業員の交替勤務制度を採用していることから労使間の意思疎通を図りづらい側面もあります。今後、新たに策定した人事制度を活用しながら評価と処遇の公正化を図り、従業員がモチベーションを高め合う環境を整備していきます。

今後の展望

日本では、出来たてのモッツァレラチーズを味わうために遠方の牧場まで行く必要がありますが、イタリアでは、街中のチーズ販売店で購入できます。藤川社長は、日本の食文化におけるチーズを今よりも身近なものにしたいという想いを描きながら、無限の可能性を秘めるチーズに新しい食の価値観を生み出すことを目指しています。

代表取締役 藤川 真至 氏




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