事業承継事例


株式会社金陽社印刷所(本社:中央区京橋、社長:細田 剛)は、1931年に創業し、封筒・伝票・挨拶状・チラシなどのビジネス印刷サービスのほか、「京はし 満津金(まつきん)」という商号で御朱印帖や江戸町火消の錦絵など江戸文化を伝承する粋な紙製品の製造・販売を展開しています。



「京はし 満津金(まつきん)」店舗





細田社長の「江戸や京橋の歴史・文化を印刷で表現したい」という想いをもとに、2016年に開業した「京はし 満津金」は、2018年にテレビ番組に取り上げられ、2019年のラグビーワールドカップの開催や、増加する訪日外国人観光客の効果もあり、売上は好調に推移していました。 しかし、2020年3月以降、新型コロナウイルス感染拡大による、外国人観光客の減少や外出自粛、東京オリンピック・パラリンピックの延期・無観客試合決定などの影響で売上が大幅に減少する状況となってしまいました。

この状況を打開すべく、2020年7月、東京商工会議所中央支部に相談したところ、経営指導員の提案により、「中小企業活力向上プロジェクトネクスト」の枠組みで経営課題解決に向けた専門家による経営診断を受けることとなりました。
その結果、コロナ禍という状況を踏まえ、非対面・非接触を望む顧客に向けたIT活用を提案され、その具体化に向け、専門家派遣制度(エキスパートバンク)を活用し、ITに詳しい中小企業診断士から指導を受けながら、ウェブサイトを活用した販路開拓、オンライン商談の導入を行うこととしました。

自社のウェブサイトは、従前ITベンダーに制作・更新等を外注していましたが、ウェブを活用した販路拡大と内容更新の迅速化のため、ホームページ作成ツール「Jimdo」を活用して、自社の社員で制作(内製化)し、リニューアルしました。あわせて、ネットショップサービス「STORES」を導入、自社ウェブサイト内にEC(電子商取引)サイトを構築し、御朱印帖や江戸具の販売を開始しました。
ウェブサイトの制作にあたっては、デザインだけではなく、使いやすいページを目指し、社内で議論を重ねながら工夫を凝らしました。

オンライン商談については、オンライン会議システム「Zoom」を契約・導入し、中小企業診断士の指導を受けながら、社内のミーティング等で練習を行いつつ、自社がホストとしてオンライン商談をできるようにしました。あわせてミーティングロックやバージョンアップ、データセンターの選択を行うなどセキュリティ対策も万全に行うようにしました。
また2021年10月に開催した「東京インターナショナル・ギフト・ショー」に出展し、これをきっかけとした商談も全国各地に所在する会社とオンラインで行い、受注につながりました。

これらのIT活用の取り組みには、社長だけではなく従業員の理解・協力も必要であることから、社内でIT担当を2名任命し、社長と一緒に専門家派遣制度(エキスパートバンク)の指導に同席をしながらITの知識の習得に努めました。

これらの取り組みにより、新型コロナウイルス感染拡大前の売上に戻りつつあるほか、ウェブページの内製化により、ページの更新なども迅速かつ容易に対応できるようになり、生産性向上の効果も感じられるようになりました。
今後、同社では、ECの取扱商品点数を増やして、よりEC販売にも力を入れるとともに、InstagramなどのSNS活用も視野に入れて検討していくとのことです。

細田社長は、中小企業のIT活用について、次のように語ります。
「経営課題の解決のためのITを活用したいと経営者自身が本気になったら、まずは最寄りの商工会議所に相談してみると良いのではないでしょうか。当社では、東商の専門家派遣制度等を活用することで、ITに詳しい先生から助言とヒントをいただきながらIT導入を行い、結果として売上向上・業務効率化を達成することができました。」


細田 剛 社長




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