事業承継事例


シンク・エンジニアリング株式会社(本社:目黒区、社長:岡村 勝也)は、1978年創業の電気計装設備・上下水道監視制御システム・委託管理業務などの水道に関する事業を行っている会社です。計装装置の開発~製造・監視システムの開発、電気工事業・電気通信工事業・機械器具設置業、設備の維持管理・浄水設備の受託管理・運転管理受託を通して、命の水・生活の水つくりを担っています。



シンク・エンジニアリング本社




同社では、創業以来、常に最新技術を導入し、社員の働きやすい環境を構築するという考え方のもと、全国に展開する拠点間のコミュニケーションと情報の一元管理を目的に、1990年代初頭にはグループウェア「Notes」を導入し、全国の拠点への情報共有を電子化、またその後に財務システムを導入するなど、早期からIT導入・活用を積極的に取り組んでいます。

現在では、大きく分けて基幹・業務系、財務系、コミュニケーションツールの3つのシステムを利用しており、業務効率化・売上向上に大きく役立っています。

具体的には、基幹・業務システム、財務システムとして、「OBIC7」(統合基幹業務システム)を導入し、受発注・仕入支払振込業務・売上・入出金管理を行い、各業務の電子化により業務の効率化をさせているほか、そのデータを財務システムへ連携させることで、会計処理の効率化も実現しています。

さらに、グループウェア「NI Collabo 360」を導入し、回覧板、スケジュール管理、経費精算、ワークフローなどの機能を利用するほか、「Sales Force Assistant」で顧客管理・案件管理・見積作成などを行っています。

それ以外にも営業・技術職の社員にはノートPC・Wi-Fiルーターを携帯させ、外出先でもVPNを通じて社内システムにアクセスできるようにしており、営業・技術職の社員の業務効率化に役立っています。
また、情報セキュリティに対しても各種対策を実施しており、ISO27001(ISMS/情報セキュリティ)を取得しています。

2019年には、東商目黒支部での情報化に関するセミナーの受講をきっかけとして、旧来使っていた基幹・業務系システムとコミュニケーションツールをそれぞれ新しいシステムに刷新しました。

システム刷新の旗振り役として、現場の社員に権限を委譲し、ITベンダーと密に連携しつつ、現場の声を拾いながら要件定義などを行い、現場に根差したシステム設計を心掛けました。
また、システム導入にあたっては業務フローを見直し、「業務フローを導入するシステムに合わせる」という考え方のもと、なるべくそのシステムの標準機能で対応できるようにしました。

水道の監視システムの設計・販売なども行なっているため、もともと従業員のITリテラシーは高かったものの、システムを刷新したが、従業員が使いこなせないという懸念を解消すべく、ITベンダーの会議室を貸し切り、操作方法などに関する勉強会を行い、その懸念をクリアしました。

IT活用を全社的に進めた効果として、「経理処理などの自動化や、経営・事業に関する情報の一元化・見える化により、事務作業が効率化された」といった社員の声や、経営者から見ても、社員がこなせる仕事が増えたという実感があるとのことです。

同社社長の岡村氏は、中小企業のIT活用について次のように語ります。
「経営者自身がIT活用に対し強い意識を持って、信頼できるパートナー(ITベンダー・専門家など)を見つけてIT活用を進めることが重要です。また、IT導入を進めるにあたっては、現場の声を徹底的にヒアリングし、現場の声にもとづいてシステムを選定・設計することが肝要です。」

岡村社長




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