区の特色


台東区の特色

台東区は、上野・浅草の二大繁華街を擁する江戸期から続く観光の町として栄え、上野以西の台地部には谷中の寺社と上野公園などが立地、低地部には地場産業の工場・工房が集積、蔵前・浅草橋地区においては問屋街を中心に卸売の街として繁栄を続けている。

台東区の面積・人口

区の面積は、10.08k㎡で、23区中最も狭いが、都内23区内においては1㎢あたりの事業所数が第3位と、事業所が密集する地域としての特徴がある。台東区の人口は平成7年を境に増加に転じ、2019には20万人を超えている。一方で高齢化も進んでおり、2016年度調査では高齢化率23.7%と、23区内で4番目に高い割合となっている。

国内外の観光客を魅了する歴史ある街・台東

区は江戸から元号が変わり150年目となる2018年を「江戸ルネサンス元年」と位置付け、これを起点に「江戸創業事業所顕彰」、「江戸まちたいとう芸楽祭」等を開催し、江戸が息づく街の魅力を発信している。区内への国内外の観光客は、2018年には5,583万人を突破し、うち外国人観光客数は2016年に830万人から2018年には953万人(14.8%増)に増加しているが、来訪客の増加が消費に結びついている実感に欠けるほか、オーバーツーリズムへの対策が急務となっている。台東区では、2016年3月に「台東区観光振興計画」を策定し、今後増加が予想される外国人観光客が快適に観光できる環境整備を進めているほか、区民生活との共存をはかる持続的な観光振興を実現するため、新たな観光推進組織(DMO)の検討を台東区、地元観光関連団体、商店街や公共交通機関等で一丸となって進めている。

台東区の地場産業

地場産業としては、靴、カバン、袋物、ベルト、傘、ジュエリー、祭関連用具、伝統工芸品などがあり、海外ブランドとの技術提携によるOEM品などを中心に、ファッション性の高い製品が生産されている。また、台東区は2004年にファッション関連での起業を目指すデザイナーを支援する施設「台東デザイナーズビレッジ」を設立し、地場産業の後継者や若手クリエイター等の育成を行い、数多くの卒業生を輩出し、区内産業活性化の一端を担っている。卸売の街としては御徒町の「ジュエリータウン」や世界でも稀な料理道具・厨房設備の集積である「合羽橋道具街」や1kmにわたる「仏壇関連商品の問屋街」など、専門問屋が集積している。さらにホテル・旅館業も特徴的な産業であり、『東北の玄関』として上野に宿泊施設が多かった歴史に加え、簡易宿泊所や内外からの旅行客向けホテルなど、2016年3月時点で区内宿泊施設は429か所と、都内では2位の新宿区(250か所)に大きな差をつけて1位となっている。

活発なイベント・祭りと特色あるエリア

区内産業は皮革・宝飾、玩具を中心に、消費の低迷により苦戦が続いているが、「台東デザイナーズビレッジ」が中心となる街ぐるみのものづくりイベント「モノマチ」や、革とモノづくりの祭典「浅草エーラウンド」等、若手の力を原動力に産業振興の取り組みが盛んである。また下谷神社大祭・三社祭・鳥越祭をはじめ各所で祭りやイベントを毎週実施しており、地域と産業が一体となって魅力的な街を演出している。上野・浅草の他にも、浅草寺の北側には江戸時代から台東区で育まれてきた伝統伎芸を守り、伝承している「浅草花街」、皮革製品関連企業の集積である今戸~橋場の「北部エリア」、履物の花川戸、玩具・雛人形・文具の小売卸売業が連なる「江戸通り周辺」、手芸材料の集積である「浅草橋地域」、「谷根千」人気を追い風に古民家の改装や新業態の店舗が集積し、国内外の観光客が増加し続ける「谷中エリア」など、それぞれの地域資源を活かして観光や産業振興に取り組んでいる。


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