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設立趣意書

設立趣意書

設立趣意書

東京商工会議所青年部「設立趣意書」



 わが国は、急速な人口減少と加速する超高齢化という構造的課題に直面しており、デフレマインドから脱却し中長期的な経済成長を実現するための正念場を迎えている。経済成長の主役は民間であり、企業によるイノベーションへの挑戦と投資拡大など攻めの経営行動によって、首都・東京から新たな隆盛を極めていく必要がある。


 こうした時代の変革期にあって、商工業の繁栄、首都・東京の発展、わが国経済社会の発展を中核的に担うのは青年経済人の柔軟な発想とエネルギッシュな行動力である。青年経済人が持つ高い志は、企業の勇気ある挑戦の源泉となり、未来を切り拓く大きな原動力となる。


 われわれ東京商工会議所に集う青年経済人は、初代会頭・渋沢栄一翁が唱えた理念を引き継ぎ、今こそ互いに社会に恵みを循環させる責任と義務を十分認識したうえで、危機感と時間軸を持って連帯し行動していくため、ここに東京商工会議所青年部を発足させる。



【参考】

 《渋沢 栄一》

 東京商工会議所 初代会頭。

 生涯に500以上もの企業や団体、教育機関などの設立・経営に関与し、「日本資本主義の父」と称される。商工業の意識と地位の向上に貢献し、産業界育成において精神的な支柱となった。なお、渋沢の理念の根幹となったのが「道徳経済合一説」である。


 『論語と算盤(道徳経済合一説)』(渋沢栄一著書)より抜粋

 「富をなす根源は何かといえば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。ここにおいて論語と算盤という懸け離れたものを一致せしめることが、今日の緊要の務めと自分は考えているのである。」

 「個人の富は、すなわち国家の富である。個人が富まんと欲するに非ずして、如何でか国家の富を得べき、国家を富まんし自己も栄達せんと欲すればこそ、人々が、日夜勉励するのである」