「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」 集計結果 ~積極的なデジタル活用が着実に進む。取組の効果は「業務効率化」に加え「人手不足解消」も増加~
東京商工会議所
中小企業部
東京商工会議所(小林健会頭)は、中小企業のデジタルシフト・DX推進委員会(委員長:金子眞吾副会頭・TOPPANホールディングス会長)において、中小企業のデジタルシフト・DXの実態を把握するため標記アンケートを実施し、集計結果を取りまとめましたので、お知らせします。当所では本調査結果を踏まえ、必要な支援策を検討・実施していくとともに実態を踏まえた政策提言活動を展開してまいります。
【 主な調査結果のポイント】
◇中小企業のデジタルシフトの状況(導入・活用レベル) ⇒⑤~⑦ページ
○各社の現時点でのデジタルシフトの状況を4つにレベル分けし調査。
約8割の企業がITを「導入」(レベル2・3・4)しており、「活用」している企業は約5割(同3・4)。特に、「ITを差別化や競争力強化に積極的に活用している」企業(同4)が8.9%と、前回調査比で2.2ポイント増加。
※「口頭連絡、電話、帳簿での業務が多い」(レベル1)=17.7%(前回調査比▲1.1ポイント)
「紙や口頭でのやり取りをITに置き換えている」(レベル2)=29.6%(前回調査比▲1.0ポイント)
「ITを活用して社内業務を効率化している」(レベル3)=43.8%(前回調査比+0.2ポイント)
「ITを差別化や競争力強化に積極的に活用している」(レベル4)=8.9%(前回調査比+2.2ポイント)
○従業員数が多い/利益が増加傾向にある/社歴が浅い/従業員の平均年齢が若い/経営者の年齢が若い企業においてデジタルシフトが進んでいる傾向が見られた。
◇デジタルシフトの効果 ⇒⑨・⑩ページ
○デジタルシフトを進めた結果、77.9%の企業が成果が出ていると回答。
○デジタルシフトを進めることで得られた効果について、「業務効率化(コスト削減、時間短縮、ミス防止等)」(81.0%)が最も多く、「人手不足解消」を挙げる企業も約2割(18.8%)にのぼる。デジタルシフトの取組が進んでいる企業(レベル4)ほど、「業務の見える化」「社内コミュニケーション促進」など多様な効果を得ている。
◇デジタルシフト・DXの課題 ⇒⑪・⑫ページ
○デジタルシフト・DXの課題として「コスト負担」(31.9%)を挙げる企業が最多となった。次いで人材面に関する課題(「旗振り役が務まるような人材がいない」31.0%、「従業員がITを使いこなせない」26.4%)、デジタルツールの選択と導入効果の評価に関する課題(「業務内容に合ったデジタルツール・サービスが見つからない」22.4%、「導入の効果が分からない、評価できない」22.1%)が続く。前回調査と比較し、「コスト負担」が順位を上げた(前回3位→今回1位)。
◇外部人材・リソースの活用状況 ⇒⑰ページ
○デジタルシフト・DXを進めるにあたり活用している外部人材・リソースについては、「活用していない」が40.0%。デジタルシフトのレベルが高い企業(レベル3・4)においては3割以上が「ITベンダー」を活用している。
◇サイバーセキュリティ対策について ⇒⑲~㉑ページ
○対策を行っている企業は約8割にのぼるものの、対策の内容は「ウイルス対策ソフトのインストール」や「OS/ソフトウェアの定期的なアップデート」といった基本的な対策が中心で、より高度な対策は依然として低水準に留まる。
○自社に対するサイバー攻撃の経験について、「受けたことがある」と答えた企業は17.5%、「分からない」と答えた企業は14.8%となり、攻撃に対する検知・対処体制に課題を抱える可能性が残る。
【調査概要】
▽期間:2024年10月15日(火)~11月15日(金)
▽対象:主に東京23区内の中小企業 10,000社(回答数:1,218社(回答率12.2%))
▽方法:郵送・メールによる調査票の送付、郵送・WEBによる回答
※前回調査は2023年7月
東京商工会議所
中小企業部 IT活用推進担当
担当 山口・片山・長嶋
TEL 03-3283-7624