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東京商工会議所が実施する産学公連携相談窓口のマッチングにより古紙のリサイクルシステム維持に向けた新たなアイデアを学生が企画・提案

2022年4月1日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所 新事業・イノベーション創出委員会(委員長:垣内威彦副会頭・三菱商事㈱社長)が実施する「産学公連携相談窓口事業」によるマッチングを通じ、大学と連携を開始した案件が、以下の通り新たな用途の開発に向けた企画・提案につながりましたので、お知らせします。
 「産学公連携相談窓口事業」は、企業の課題解決に向け、大学等の研究機関が持つ研究能力や知見、相談機能を広く活用できるよう、当所が無料で企業と研究機関の橋渡しを行う事業です。2013年度よりスタートし、今年度で10年目を迎えます。事業開始からの累計実績は相談受付178件、大学・研究機関からの照会569件、共同研究等への進展57件と、企業の課題解決に向け多くのマッチングに対応しています。
 2021年度は、新たに4機関(青山学院大学、城西大学、東京国際工科専門職大学、立命館大学)と連携。2022年4月からは、千代田区、杉並区とも連携を開始し、支援体制を強化。現在は50の研究機関と8区(台東区、北区、港区、墨田区、江東区、荒川区、千代田区、杉並区)、そして21の金融機関と連携し、企業の課題解決をサポートしています。今後も、当事業を通じて、中小企業におけるオープンイノベーションの取り組みを強力に支援してまいります。

連携事例について

1.連携先
(1) 企  業:株式会社大久保(東京都荒川区東日暮里1-40-5)
    代表者名:代表取締役社長 大久保 薫
    事業内容:製紙原料卸売業(古紙を回収後、異物除去、品質別圧縮・梱包を経て、
         古紙商品として国内外の製紙会社へ販売)
(2) 協力機関名:拓殖大学(東京都八王子市館町815-1)

2.連携の内容
○古紙回収率は約81%と高い一方、利用率は約66%と低く、海外(主に中国)の製紙会社に販売することで需給バランスを保っていた。しかし中国が古紙輸入の制限を始めるなど外部環境が変化し、リサイクルシステムを維持するため、相談企業において製紙以外の用途での活用が喫緊の課題となっていた。
○本事業を通じて、拓殖大学のデザイン学科・シビックデザイン研究室との連携が実現。
○学生らにより、回収した段ボールを活用した子供向け段ボールハウス「スーム」の開発や、リサイクルできない禁忌品の理解促進とリサイクル実現に向けた段ボール製のお神輿制作キット「おみ古紙」を開発し子供向けイベントで使用するなど、新たな用途に関する企画・提案を実施した。
○今後商品化も視野に入れながら、引き続き連携して取り組んでいく。

お神輿制作キット「おみ古紙」

お神輿制作キット「おみ古紙」

「産学公連携相談窓口」事業概要

 企業の課題解決に向けて、大学等の研究機関が持つ研究能力や知見、相談機能を広く活用できるよう、当所が企業と研究機関を無料で橋渡しを行う事業。「提携する50の大学等研究機関に一括で問合せが可能」「対応可否が迅速に判明」「助成金や融資、知財なども含めた多様な経営支援」などを強みに、中小企業におけるオープンイノベーションの取り組みを支援。詳細は別紙参照。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
TEL 03-3283-7754