【入門】データ活用による「事業計画策定」の第一歩<Part2>
2026.01.30
データ活用と聞くと「難しそう」「専用ツールが必要なのでは」と身構えてしまう方が多いのですが、実は身近なExcelと公開データだけで十分に戦えます。
本パートでは、「データ活用=難しい」という誤解を解き、分析の前段階として必須となる「データクレンジング(整備)」の手法や、無料で使える強力な「公開データ」の入手先について具体的に解説いたします。
チャプター
動画サマリー
1.「データ活用=難しい」という誤解を解く
まず、多くの方が陥りがちな「認識のギャップ」を埋めるところから始めましょう。データ活用に対して、次のようなイメージを持っていませんか。
これは大きな誤解です。実像はもっとシンプルで、泥臭いものです。
最初の一歩は、高価なシステムを入れることではありません。手元にある売上台帳の表記揺れを直し、顧客にIDを振る。たったこれだけで、分析の精度は劇的に変わります。
2.スタートラインに立つための「データ整備」
分析を始める前に絶対に避けて通れないのが「データの質の整備(データクレンジング)」です。 質の悪いデータからは、間違った戦略しか生まれません。これを「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れればゴミが出る)」と呼びます。
よくある「整備前(Before)」の状態とは、次のようなものです。
表記ゆれ
「(株)」「株式会社」「(株)」が混在しており、同じ会社として集計できない。
重複登録
同一人物が複数のIDで登録されており、正確な顧客数がわからない。
欠損・不備
金額欄が空欄だったり、電話番号が全角・半角混在している。
これらを整理し、1顧客=1IDで管理できる「整った表」を作ることが、分析のスタートラインです。
3.宝の山!無料で使える「公開データ」5選
自社のデータ(内部データ)だけでなく、市場の動きを知るための「外部データ」も活用しましょう。実は、国や自治体が非常に有益なデータを無料で公開しています。セミナーで紹介した主要な5つのソースです。
港区統計(自治体データ)
人口、世帯数だけでなく、昼夜間人口の差なども把握できます。特に港区は昼間人口が夜間の数倍に膨れ上がる特性があるため、エリア戦略に必須です。
RESAS(地域経済分析システム)
内閣府が提供するシステムで、人の流れ(人流)や消費動向をマップ上で視覚的に把握できます。
e-Stat(政府統計の総合窓口)
国勢調査や経済センサスなど、国の基幹統計がすべてここにあります。
業界団体・市場調査レポート
様々な業界団体が出すレポートで、業界全体のトレンドや平均客単価を確認できます。
日本政策金融公庫「小企業の経営指標」
同業種の「粗利率」や「人件費率」の平均値(黒字企業平均など)を知ることができます。自社の数字が適正かを判断するベンチマークとして最適です。
4.Excelでできるデータクレンジングの基本
最後に、実務ですぐに使えるExcelでの整備テクニックを紹介します。高機能な分析ツールがなくても、以下の3ステップでデータは磨けます。
ステップ1 統一
表記ゆれや形式を揃えます。Excelの「TRIM関数」で余計なスペースを削除したり、「区切り位置」機能でデータを分割したりします。
ステップ2 重複削除
顧客IDなどをキーにして、重複している行を取り除きます。Excelの「重複の削除」機能や「UNIQUE関数」が役立ちます。
ステップ3 欠損補完
空欄になっている箇所を埋めます。「XLOOKUP関数」などを使って、マスタデータから正しい情報を引っ張ってきます。
この3ステップを経て作った「分析に使える1つの整った表(マスタ表)」さえあれば、ピボットテーブルで瞬時にクロス集計ができ、事業計画の根拠となる数値が導き出せます。
難しく考える必要はありません。まずは手元のExcelを開き、表記の統一から始めてみてください。
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