会頭コメント

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金融機能早期健全化をめぐる与野党合意について

1998年10月13日
東京商工会議所

1.不良債権問題をすみやかに処理することが、わが国の最優先の課題であることは言を待たない。中小企業はもとより、産業界全体の資金供給に支障が生じている現状は極めて深刻である。この危機的状況を打開するのは焦眉の急であり、わが国の金融システムに対する内外の信頼回復に全力を挙げて取り組まなければならない。
 この間、与野党の協議に多くの時間が費やされたのは残念だが、金融問題でようやく合意ができ、まずは金融再生関連法の成立により、金融機関の破綻処理の仕組みが整ったことを評価したい。同時に、金融機能早期健全化に関する合意が成立し、金融機関に対する十分な額の公的資金の投入が可能になったのは結構なことだが、しかし今後実際にこれらのスキームが十分に効果を発揮しうる運用が行われるかどうか、特に金融機関の防衛のために却って信用収縮の拡大を招くことなどがないよう期待をもって見守りたい。

2.景気は日増しにデフレ懸念を強めており、加えて急激な円高のあおりで輸出産業が不振に陥れば、日本経済全体の支えを失い、一層の危機的状況を迎えることになる。
 株価の低迷、雇用情勢の悪化をはじめ、経済は一刻の猶予も許さない状況なので、政府としては公共事業の早期執行など先の経済対策を実効あるものにするとともに、今後一連の予算編成措置をすみやかに行って実効ある対策を早く具体化し、全力を挙げて景気回復に取り組んでもらいたい。

3.間接金融に頼らざるを得ない中小企業の経営環境は一段と厳しさを増しており、今後金融再生関連の一連の法的措置を実行に移す段階で、中小企業に対するさらなる貸し渋りの拡大、信用収縮を引き起こすことのないよう十分な政策的配慮を強く求めたい。

以上