東商けいきょう集計結果(中小企業の景況感に関する調査)2016年7~9月期
東京商工会議所
中小企業部
東京商工会議所(三村明夫会頭)はこの度、中小企業の景況感をより正確に把握することを目的に、標記調査を実施しました。調査期間は、2016年8月20日から9月1日まで、対象は東京23区の中小企業2,408社。調査はFAXおよび聴き取りで行い、回答数は764社(回答率31.7%)。今回は、付帯調査として「賃金の動向」を併せて実施しております。
【 東京の景況は低下傾向続く。回復を見込むも停滞感漂う。】
東商けいきょうの主なポイント(画像①②)
【業況DI】
○建設業が6.3ポイント悪化し4.8となった。引き続き需要は旺盛なものの(「売上DI」は前期比+7.2の10.6)、人手不足による人件費高騰や受注機会の損失を背景に、先行きを不安視する声が多い。
○卸売業は取引先や個人消費の低迷を主因とし、2期連続悪化の▲19.9となった。
【採算DI】
○卸売業では引き続き円高による収支改善が見られるものの、一方では取引先からの値下げ要請が強まっていることから、11.0ポイント悪化の3.3となった。
○また、食料品を取り扱う事業者からは、天候不順による農産物の価格上昇が採算悪化につながっているとの声も聞かれた。
【企業の声】
○引き合いは多いが人手不足により受注機会を逃している。人件費の上昇もあり、先行きが不安である。(建設業・設備工事業)
○店頭・百貨店向け中元商品の出荷が2割減少した。これまでにない落ち込みだが、年末年始に期待したい。(卸売業・乾物)
○消費者の低価格志向が強く、高価格帯の商品が売れにくくなっている。(小売業・衣料品)
○天候不順によって農産物の価格が上昇し、経常利益を圧迫している。(卸売業・生鮮食品)
【付帯調査:賃金の動向】(画像③)
○2016年度(2016年4月~2017年3月)に賃金の引上げを実施した企業(予定含む)は56.6%となり、2015年度(59.8%)と同水準となった(右図)。
○賃上げを行う理由としては、「人材の定着やモチベーションの向上を図るため」が76.6%と最も高く、建設業では85.9%となっている。
○賃上げを見送るもしくは未定とする理由については、「業績見通しの不透明さ」や「業績の改善が見られないこと」
などが挙がっている。
東京商工会議所
中小企業部
担当 大山・湯木・河村
TEL 03-3283-7643