政策提言・要望

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小泉新内閣に望む

2001年5月17日
東京商工会議所

 わが国は、長引く景気低迷の中で、バブル崩壊後の負の連鎖を未だ断ち切れないうえ、将来の年金・医療制度への不安などから、閉塞感が蔓延している。こうした国難ともいうべき時に発足した小泉新内閣に求められているのは、国民の将来に対する不安を払拭し、活力ある、夢と希望の持てる日本の再構築に向けての実行力である。いうまでもなく、新内閣が当面する最大の課題は、各分野における構造改革の断行と低迷する景気を民需を中心とした自律的回復軌道に乗せることであると考えるが、小泉新総理のリーダーシップのもと、政府・与党が一体となって、わが国の将来にわたる発展と繁栄のために、日本再生のシナリオとそれを支える力強い政策を大胆に打ち出し、小泉新総理に託された国民の期待に是非とも応えていただきたい。その際、特に下記の点について、特段の配慮がなされるよう強く要望する。

提言要望



1. 構造改革断行のための経済運営

  新内閣は「構造改革なくして景気回復なし」として、聖域なき構造改革に取り組まれる方針とのことであり、その断行が是非とも求められるところであるが、構造改革を成し遂げるためにも、これに伴うデフレ効果を極力緩和する適切な経済運営が必要不可欠である。中でも、金融機関の不良債権処理については、それ自体がデフレを加速するだけでなく、その手法によっては、再生可能な企業をも倒産に追い込むなど、自律的回復を図るうえでマイナスに働く懸念があるため、創業間もない、あるいは、経営革新途上にある企業をはじめとする経営基盤の弱い中小企業への影響や雇用の動向など実体経済に十分配慮のうえ、所要のセーフティーネットを具体的に示し構造改革に取り組むべきである。
 また、先般決定された緊急経済対策については、証券・土地関連税制など更なる検討を要するものが多く含まれており、早急に適切な具体策を詰めたうえで、着実に実行に移されたい。

2.中小企業が将来に明るい展望を持てる政策の提示

 かつてない厳しい状況にある中小企業がその活力を取り戻すことなしに、今後の日本経済の発展はあり得ない。そのため、事業承継など中小企業関連税制をはじめ、IT革命への対応支援や新規創業支援、中心市街地の活性化等、中小企業が積極的に経営革新に取り組み、新しい分野や前向きの投資に果敢に挑戦できるよう、将来に向けて明るい展望の開ける政策を前倒しで提示するなど、わが国経済の太宗を占める中小企業の活力を引き出す思い切った環境整備が必要である。
 また、今通常国会で審議中の確定拠出年金法案ならびに確定給付企業年金法案の早期成立を図られたい。

3.将来不安を払拭するグランドデザインの提示

 長引く景気低迷の大きな要因の一つは、国民の将来の年金・医療制度などに対する不安感である。そのため、社会保障制度や医療制度について少子高齢化に対応した持続可能で安定的なものとするための改革を急ぎ、そのうえで、それらを踏まえた財政構造改革などについて、経済社会全体として整合性のとれたシステムの構築に向けたグランドデザインを示すことが不可欠である。また、公務員の大幅削減をはじめとして、民間にできることは民間に委ねるなど、「官」における構造改革にも積極果敢に取り組むとともに、法人事業税への外形標準課税導入問題をはじめとする地方財政の問題も、国・地方を通じた税・財政改革全体の中で議論されるべきである。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所