平成19年度税制改正に関する要望
東京商工会議所
東京商工会議所(山口信夫会頭)は本日の第573回常議員会で,税制委員会(委員長:池田守男 副会頭、資生堂相談役)と事業承継問題委員会(委員長:神谷一雄 特別顧問、松久社長)が取りまとめた標記要望を決議した。今後、政府・政党をはじめ関係先に提出し、要望内容の実現方を働きかける。
本要望の主な内容は次のとおり。
要望
【基本スタンス】 2011年度までの基礎的財政収支の黒字化は、「骨太の方針2006」に示された徹底的な歳出削減の着実な実行に加え、極力高い経済成長を通じた税の自然増収により達成可能である。そのため、消費税率の引上げ等、安易な増税に頼ることなく、「経済の成長なくして財政再建はあり得ない」というスタンスに立ち、バランスのとれた経済財政運営を行うことが肝要。
【要望事項】
1.企業の競争力強化
日本の経済活力を維持していくためには、アジア等のダイナミズムを取り込んでいく必要があり、企業の国際競争力強化に向けた取り組みが不可欠。この観点から次を要望。
○法人実効税率の引き下げと軽減税率の適用所得金額の引き上げ
○減価償却制度の抜本的な見直し
○金融所得課税の一体化
○環境税の導入反対
2.中小企業や地域経済への支援
中小企業や地域経済が自らの資源や創意工夫により自立的な回復軌道に復帰し、景気拡大の恩恵があまねく波及するよう、税制上の支援措置が必要。具体的には、
○事業意欲を阻害する「役員給与の損金算入制限措置」の抜本見直しと「留保金課税」の廃止
○円滑な事業承継のため「包括的な事業承継税制の確立」や「種類株式の評価の明確化」
○創業や設備投資を促す観点から「エンジェル税制」や「中小企業等基盤強化税制」の延長・拡充
○地域経済を支援するため「事業用資産の買換え特例」や「都市再生事業に係る特例措置」の延長、など。
3.経済社会の変化への対応
税制は、広く民間の経済活動の有り様を規定し、社会構造の形成に大きな影響を及ぼす側面を持つことから、経済社会の変化も視野に入れた税制の見直しが必要。すなわち、
○少子化対策の観点から「児童税額控除」を創設
○新たな組織再編が税制適格となるよう「会社法施行に伴う税制措置」を整備
○同族会社や同族株主等の判定に係る「税法上の親族概念」を縮小するよう見直し
○確定拠出年金制度等の見直しに伴う「企業年金・退職金制度に係る税制」の見直し
○電子媒体の利用度合いによる不公平解消等のため「印紙税の税率見直し及び廃止」
○税制の信頼性向上、コスト削減を目的とした「納税環境の整備」、など。
ダウンロード「東京外かく環状道路(関越道~湾岸線)の整備促進に関する決議」 (PDF形式: 201 KB)
東京商工会議所
産業政策部
担当 小林・浅野
TEL 03(3283)7621・7623