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大型小売店とまちづくりに関する アンケート調査結果

2002年8月22日
東京商工会議所

 東京23区ならびに3大都市圏内7政令指定都市の8商工会議所(東京・千葉・川崎・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸)は、「大型小売店とまちづくりに関するアンケート調査」を実施、調査結果をとりまとめた。
 
 これは「大規模小売店舗立地法」(以下「立地法」)が施行されて2年が経過したのを受けて、大都市に大型小売店を出店する小売業者、デベロッパー等の事業者と、その影響を受けると想定される生活者を対象に、同法下での大型小売店出店に関する問題や大型小売店とまちづくりの関わり等について聞いたもの。事業者173社、生活者666人から回答を得た。
 
 立地法については、同法に関して定められた「大規模小売店舗を設置するものが配慮すべき事項に関する指針」の見直しが、平成17年を目途に行われる予定となっている。
調査概要ならびに主な調査結果は以下のとおり。

【 調査概要】

○調査地域:東京23区、および、千葉・川崎・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸の
        7政令指定都市

○調査対象:事業者=対象地域内で、立地法に係る小売業、建設・設計業、コンサル
        ティング業を営む事業者、および、同法届出の建物所有者 615社
        生活者=対象地域内に在住する生活者 881人

○調査方法:郵送による調査票送付。郵送・FAXによる回答票回収。

○調査期間:平成14年6月24日(月)~7月19日(金)

○有効回答:事業者=173社(回答率28.1%)生活者=666人(回答率75.6%)
 
【主な調査結果】
 
◆立地法下での出店について 

・ 商業調整を主旨とした大規模小売店舗法(以下「大店法」)から、交通・騒音など環境規制を重視する立地法に変わり、大型店の出店が「難しくなった」(49.7%)と回答した事業者が約半数に達し、「容易になった」(17.9%)を大きく上回った。
・ その理由としては、「事前調査のコストが増加」(80.2%)、「基準クリアのための建設コストが増加」(61.6%)を挙げる事業者が多く、法対応のためのコスト負担が事業者の重荷となっている様子がうかがえる。
・ また、「協議過程が複雑」(57.0%)、「事前協議に時間がかかる」(55.8%)との回答も半数を超えた。
・ 一方、出店が「容易になった」と回答した事業者が挙げた理由では「地元説明会などが進めやすい」(83.9%)が最も多くなっている。
 
◆立地法下での出店説明会について 

・ 最近1年間、近隣に大型小売店の出店があった生活者(161人)のうち、店舗設置者に義務付けられている説明会については、「参加した経験がある」と回答した生活者は1割(9.9%、16人)にとどまった。
・ 事業者の自由意見にも「参加者が少ない」「軽微な変更の場合、説明会は不要では」との声が複数寄せられており、とりわけ変更届出の場合の説明会の必要性や地元周知の方法には検討の余地があると考えられる。
 
◆立地法の指針・運用について 

・ 同法の指針・運用に関する問題点については「調査コストが過大」(66.5%)、「基準クリアのコストが過大」(47.4%)に次いで、「都心部では指針数値が実態に則さない」(44.5%)との意見が回答事業者の半数近くに及んだ。
・ 自由意見でも「駐車台数の指針数値が実態とかけはなれている」「都心部での出店規制を現実に即したものに」など、とりわけ駐車台数について都心部での出店規制緩和を望む声が多くの事業者から寄せられた。
 
◆大型小売店とまちづくりについて 

・ 事業者の約7割が出店に際し「地域のまちづくり計画を確認」(68.8%)し、このうち、半数以上が「出店計画にも反映」(53.7%)と回答している。わずかではあるが「出店とりやめ」(4.1%)のケースも見られ、出店に際しては、事業者がまちづくりに関する計画・事業との整合性について検討、調整していることがうかがえる。
・ しかし、事業者の「まちづくり協議会等に参加」(23.1%)との回答は2割程度にとどまり、現段階では、継続的なまちづくりへの取り組みはあまり行なわれていない。
・ 一方、生活者の「まちづくり協議会等に参加」も全体では2割弱(18.3%)と低いが、関東圏の1割弱(8.0%)に対し、中部・関西圏では半数近く(48.8%)に達し、地域による差異も大きい。
 
◆生活者から大型小売店に望むこと

・ 生活者から今後出店する大型小売店に望むことは「渋滞対策」(71.0%)がトップで、「リサイクル」(58.9%)、「騒音」(55.7%)など生活環境への対応がこれに続いている。
・ 「まちづくりの話し合い」(52.9%)も半数を超え、自由意見においても、まちづくりについて、小売店、利用者による話し合いを望む声が複数上がるなど、生活者が大型小売店に対し、当面の生活環境保全の取り組みだけでなく、継続的・総合的なまちづくりへの参画を期待する様子が読み取れる。
 
以 上

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
地域振興部
担当 大下・関田
TEL 03(3283)7624