会頭コメント

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平成12年分政治資金収支報告について

2001年9月13日
東京商工会議所

1.平成12年の政治資金の支出が、対前年比25%の増加となったのは、衆院選に各党がプールしておいた資金を使ったことが理由だと思う。全体の収支でみると、政治資金規正法の改正以後、政治のコストがほぼ横ばいで推移しているのは好ましい傾向である。
 ただ、12年分の特徴をみると、まず企業献金が大幅に減少していることである。これは、不況により企業の側の事情が厳しくなっていることが最大の理由である。一方で、政党支部への献金が大幅に伸びているのは、政治家の資金管理団体への企業・団体献金が禁止されたことの表われでもあるだろう。また、前年よりやや減少しているとはいえ、パーティー収入が高い水準で推移しているのは、個人献金がなかなか根付かず、企業献金にも頼れないために、政党の財政の一部をパーティー収入に依存する傾向が定着してきたと言えるのではないか。

2.政治に一定のコストが必要なのは、民主主義を維持する上でやむを得ない。もとよりなるべく金のかからない政治を目指すのは、政治家や政党の努めだが、しかし、議員に国政に専念してもらうために導入された政党交付金だけでは不足している現状では、企業が、透明度の高い形で一定の資金を拠出せざるを得ないだろう。資金の透明性を確保するためにさまざまな規制を強化したのも、情報公開時代の当然の流れである。
 ただ、不足している分を安易にパーティー収入に頼ったり、借入金に依存するのは、中長期的にみて問題がないわけではない。将来に向けて、個人献金を広く定着させるような努力と工夫が求められるだろう。今後各党とも、政治のコスト削減に努力してほしいのはもちろんだが、ITなどを活用した個人献金を根付かせる仕組みの研究、政党としてのより明確なアイデンティティーの確立に努めるべきである。
 なお、金のかからない政治を目指すためには、有権者の側も一層の意識改革をすすめるべきだろう。

以上