会頭コメント

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株価10,000円割れについて

2001年9月12日
東京商工会議所

 平均株価がついに10,000円を割り込んだ。今回は、直接的には米国で起こった非常事態によってもたらされたものである。こうした事態が早く収束し、経済が安定に向かうことを希望したい。事件の影響が長引いて、世界経済や金融システムが混乱することはぜひとも回避すべきである。ただ、このような事件の如何にかかわらず、そもそも著しく低迷している株価の現状は大きな問題であった。
 株価は経済の実勢を反映したものであると同時に、将来の先行指標でもあり、経済の動向とこれに対する政府の経済運営を市場が不安視していると受け止めざるを得ない状況である。このままでは消費は一層冷え込み、企業の設備投資意欲を削ぎ、本年度のマイナス成長を回避するのがますます困難になり、結局は構造改革の成否をも左右しかねない。また、金融機関の財務体質を弱め、中小企業金融への悪影響も心配される。
 従って、いまは実体経済が改善の方向に向かうきっかけが必要である。政府としては現状を冷静に分析し、しっかりとした対策を打ち出して早く実行に移すことが、市場の信頼を回復し、ひいては構造改革を成功に導く道だと思う。
 そのためにはまず、財政再建のみを先行させる政策を柔軟に変更し、需要を喚起し、景気浮揚を図る補正予算を編成して、これ以上のデフレの進行を阻止すべきである。このため、従来型でない、構造改革にも資する社会資本整備のための投資、健全な中小企業に対する金融措置など万全のセーフティーネットを至急具体化すべきである。
 また、株価の急落が金融システム不安につながる恐れも否定できないので、4月の緊急経済対策に盛り込まれた「銀行保有株式取得機構」の創設等の株価対策を急いでもらいたい。

以上