会頭コメント

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国会等移転審議会の答申について

1999年12月20日
東京商工会議所

(東京商工会議所会頭として)
1.首都機能の移転については、東京商工会議所としてこれまでも強く反対をしてきたところである。
 国会等移転審議会が、「栃木・福島地域」「岐阜・愛知地域」を選定し、かつ一定の条件付きながら「茨城地域」「三重・畿央地域」も候補地としての可能性を残す形で答申したこと自体、この問題の難しさが表れているように思う。最もふさわしい候補地を絞り込めず、各論併記となったのは、どの候補地も決定的な要素を欠いているためではないかと思う。
 今後、候補地を一つに絞り、法律に定められた手続きに従って東京都と比較考量して国会が最終判断をすることになるが、必ずや東京都に落ち着くものと信じている。

2.反対する理由は枚挙に暇がないほどだが、まずこの問題が発生した当時と比べてわが国の経済環境、財政事情が著しく悪化していることが挙げられる。移転に必要な財政支出の何分の一かでも東京の基盤整備に回した方が、経済波及効果も大きいのではないかと感じている。
 次に、もはや東京への一極集中の弊害はかなり是正されてきていることである。少子化の傾向も手伝って、東京圏への人口増加の圧力は過去のものになりつつある。同時に、行政の一部はすでに東京周辺への移転がすすみ、「展都」ともいうべき首都機能の受け皿の拡大が実行に移されている事実を無視すべきではない。
 また、江戸以来の歴史と文化の蓄積、近代以降の集積効果によって社会・経済の効率性が確保されている面があるのも否定できない。さらに東京は、気象条件や地理的環境に恵まれており、世界でも稀な良港を擁している。諸外国における事例をみても、新都市を建設する形で遷都した場合は弊害も多いと聞いている。

3.ただ、仮に移転先が「東京都」に落ち着いたとしても、このままでいいわけではない。
交通問題や環境問題など首都東京のかかえる課題も多く、国際都市としての競争力もさらに充実しなければならないだろう。これらの問題について、東京商工会議所としては、東京都と緊密な連携を保ちながら、着実に解決を図っていきたい。

以上