政策提言・要望

政策提言・要望

「中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた意見」について

2022年7月14日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、事業業承継対策委員会(委員長:宮入正英・株式会社宮入社長)に
おける議論をふまえ、標記意見をとりまとめましたので、お知らせします。
 中小企業経営者の高齢化が進み、コロナ禍において廃業が増加しています。休廃業を選択した事業者の半数以上は直近の業績が黒字であり、このままでは中小企業の「価値ある事業」が失われていく恐れがあります。また、コロナ禍の影響を受けている企業ほど事業承継の取り組みを遅らせている傾向にあり、わが国経済の持続的な発展のためにも、鈍化した中小企業の事業承継対策を再加速させ、経営者交代を機として「事業ドメインの再構築」を図り、新製品・新サービス開発や販路拡大など新たな事業展開・取り組みを進める必要があります。
 本意見書は、事業承継のさまざまな課題に対応した具体的な対策を要望するもので、今後、国や東京都の施策に反映されるよう、強く働きかけていきます。

【主な要望事項】

Ⅰ.コロナ禍で鈍化した中小企業の事業承継対策の再加速と早期着手に向けた「気づき」の促進
 
・事業承継・世代交代を機に企業が成長した事例の発信
・事業承継の早期対策の重要性に対する「気づき」を促す取り組みの促進(自社株式評価 等)

Ⅱ.後継者に焦点を当てた施策の充実

・各種補助金・助成金において後継者の新たな取り組みを支援する後継者枠の創設・拡充
・後継者教育の周知促進、後継者教育の充実

Ⅲ.事業承継税制の周知・促進(親族内承継)

・事業承継税制の周知促進、支援機関・税理士などの専門家・地域金融機関を巻き込んだ対策の推進
・コロナ禍や外部環境の変化により事業承継対策が遅れている状況に鑑み、事業承継税制の利用の前提となる「特例承継計画」提出期限の更なる延長

Ⅳ.拡大するM&Aマーケットに対応した施策の運用と充実(第三者承継・M&A)

・M&A支援機関登録制度の実態を把握した適切な運用、悪質な業者の公表と登録制度の取消し要件の明示
・小規模M&A促進に向けた周知強化(事業承継・引継ぎ支援センターの相談機能の維持強化 等)

Ⅴ.その他の課題(経営者保証・分散した株式の集約・従業員承継)

・「経営者保証に関するガイドライン」「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」の周知強化

以上

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 小野寺・小森・張替
TEL 03-3283-7724